米指標データにらみの状況は続く
昨日は米長期金利が若干反発しました。しかし、冴えない米指標データに米債の買戻し(金利の低下)で反応した事実を考えるならば、米金利のトレンド決定要因は株式ではなく指標データであることがわかります。今日も米指標にらみの展開を予想します。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米指標データにらみの状況は続く
26日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。主因は米金利(10年債利回り)の反発にある。この日の米債市場は、3月に入り急速に積みあがったロングポジションを解消する動きが見られ、米金利は一時2.453%まで上昇する局面が見られた。しかし、冴えない米指標データが発表されて以降、再び米債買い(=金利低下)圧力が高まった状況を考えるならば、米債市場のトレンド決定要因は指標データにある。
本日は1月の米貿易収支が発表される。米中閣僚級協議(今週28-29日)を前に貿易赤字(特に対中赤字)が拡大すれば、通商摩擦とそれに伴う米国経済の先行き不透明感が意識され、米金利の低下要因となろう。このケースでは米ドル売りを想定したい。同時に米株が反落する場合、ドル円の反落とユーロドルの反発を予想する。一方、「米金利低下 / 米株続伸」の展開では、新興国通貨買い圧力が高まろう。米貿易赤字が縮小する場合、金利低下のリスクが後退しよう。米株が続伸する場合、米債ロングを解消する動きが散見されよう。外為市場では主要国通貨に対して米ドル買い優勢の展開を想定する。
米指標データ以外で本日注視すべき材料は、米中通商交渉に関する報道とドラギECB総裁(日本時間17時)の発言となろう。ユーロ売りが米ドル相場のサポート要因となっている状況を考えるならば、後者のイベントを注視したい。
【米長期金利チャート】
・ドル円は111トライが焦点 ユーロドルは米金利にらみ
今日のドル円は、日米株式の堅調地合いを土台に底堅い展開を想定する。上値の焦点は110.70および111.00トライとなろう。前者は昨日の高値レベルであり、且つオファーが観測されている。また、後者の水準にもオファーの観測あり。テクニカル面で重視すべきは10日MA(110.84前後)および21日MA(111.16前後)の攻防である。111.20のオファーを考えるならば、より注視すべきは21日MAの攻防となろう。一方、株式市場、特に米株が通商摩擦に関するネガティブ報道等で反落する場合、ドル円は下値トライの展開を予想する。このケースでは110円台の維持が焦点となろう。109円台へ再度下落しても米株が大きく崩れない限り、109.70レベルでサポートされよう。
ユーロドルは、米金利の動向次第でトレンドが決定されよう。株式動向や指標データ等で米金利が上昇する場合は続落を警戒したい。このケースではリトレースメント76.40%の水準1.1239および3月11日安値1.1220をサポートポイントと想定する。1.1240および1.1220にはビッドが観測されている。一方、米金利が低下する場合は反発を想定する。だが、景気の減速に直面している現状を考えるならば上昇幅は限定的となろう。21日MA(1.1315)で上値がレジストされる展開を予想する。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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