米金融政策の再転換が困難であることを見透かす市場
米金利は反発基調にあります。しかし、市場が考える7月FOMCでの利下げ確率は100%で変化なし。米株の最高値更新、新興国通貨の堅調地合いも考えるならば、FEDの政策再転換がいかに難しいかを各市場は見透かしています。今日はこの点について考えた内容となっています。
Analysis Highlights
・米金融政策の再転換が困難であることを見透かす市場
6月米消費者物価コア指数(CPI)は前月比および前年同期比で市場予想を上回る内容となった。これを受け米長期金利(以下米金利)は再び2.1%台の水準へと反発。米金利の上昇は米ドル相場のサポート要因となり、CPI発表後は米ドル買い優勢の展開となった。今日は生産者物価指数(PPI)が発表される。CPIに続き市場予想を上回る内容となれば、米金利の反発基調は継続しよう。外為市場では米ドル買い優勢の展開が予想される。だが、金利先物市場の利下げ確率の動向を確認すると、7月FOMでの利下げが確実視されている状況に変化はない。単月の指標データが良好な結果となっても、そう簡単にはFEDが政策の再転換に踏み切れない状況にあることを市場は見透かしている。よって、良好な指標データを背景とした現在の米金利の反発局面は、短期間で急速に積みあがった米債ロングの調整材料としての域を出ないだろう。米国株式市場も政策の再転換が困難であることを見透かしている。事実、昨日は利下げ期待を背景にS&P500指数とダウ平均が最高値を更新した。
一方、外為市場で興味深いのは、米金利の反発局面でも底堅さを維持している新興国通貨の動向である。昨日は資源と関連の深いチリペソ、ロシアルーブルそしてメキシコペソの上昇が目立った(対米ドル)。これまでならば、米金利の上昇は新興国通貨の下落要因である。しかし、今回の上昇局面では堅調さを維持している。米国市場と同じく新興国通貨買いも、FEDの利下げスタンスがそう簡単に変化しないと市場が見透かしていることを示唆していると言える。
【米長期金利】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円も米金利を注視する展開となろう。米金利の反発基調が続く場合は上値トライを予想する。焦点は109.00の攻防となろう。109.00にはオファーが観測されている。109円台へ上昇する場合、リトレースメント61.80%の水準109.18前後を最初のレジスタンスポイントとして意識したい。109.10-20ゾーンにもオファーの観測あり。一方、米株の調整や冴えないPPI等で米金利が低下する場合は下値トライを予想する。このケースでは、昨日相場をサポートした107.80レベルおよび11日のレポートで指摘した107.50レベルの攻防を注視したい。
ユーロドルも米金利にらみの展開となろう。米金利の反発が続く場合は1.1180を下限に下値トライを予想する。1.1190と1.1180にはビッドが観測されている。一方、米金利が低下する場合は上値トライを予想する。テクニカル面での焦点は、昨日上値をレジストした21日MA(1.1280)である。1.1270-90ゾーンにはオファーの観測あり。
【ドル円】
【ユーロドル】
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。