ポンドがNY市場で146円台に上昇、合意なきEU離脱回避への期待で
・英労働党党首、与野党協議に応じる意向
・EUは10日に緊急首脳会議
2日のニューヨーク外国為替市場で英ポンドが対ドルや対円で上昇した。メイ英首相が欧州連合(EU)離脱日を12日から再び短く延期したいとの意向を示し、合意なき離脱が回避できるとの期待からポンドが買われた。
ポンドは日本時間3日未明、対ドルで1.30ドル台前半で推移していたが、早朝にかけて1.31ドル台半ばまで上昇した。その後は1.31ドル台前半で小動きとなっている。
ポンドは対円でも同様の動きをみせ、144円台後半から146円台半ば付近まで水準を切り上げた。その後は146円台前半で小刻みに推移している。
メイ首相は2日、約7時間に及んだ閣議の後に声明を発表し、離脱の再延期をEUに要請する意向を示した。
英国のEU離脱は当初予定されていた3月29日から4月12日に延期され、政府は期限内にEUに新たな方針を伝える必要がある。
一方、EUが再延期に応じるかは不透明。EUは10日に緊急の首脳会議を開催し、対応を協議する予定。
与野党協議
メイ首相は円滑な離脱を実現させるための与野党協議を呼びかけ、労働党のコービン党首は首相との対話に応じる意向を示した。
ただ、労働党はEU関税同盟への残留を望んでおり、首相とコービン氏の協議が決裂する可能性は大きい。
その場合、複数の離脱プランを議会の投票にかけ、多数の支持を集めたプランに従う考えを首相は示している。
5月23~26日の欧州議会選に参加せずに済むよう、前日の22日までにこうした作業を終えたい意向だ。
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