改善傾向のリスクセンチメント
米国市場はリスク選好相場となっています。また、世界の主要株価指数も年初来から好パフォーマンスを維持。現状、株高は唯一の米長期金利をサポートする要因です。リスク選好相場が続く限り、ドル円は堅調地合いを想定しています。詳細はマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・改善傾向のリスクセンチメント
4日の海外外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。米長期金利は反発基調を維持。金利動向がサポート要因となりドルインデックスは連日で陽線が示現。ドル円は高値110.16まで上昇する局面が見られた。米長期金利の反発が米株の動向次第である以上、米ドル相場のトレンドは引き続き米株に左右されよう。その米株だが、VIX指数を確認すると20ポイント前後での攻防を脱し低下基調を辿っている。S&P500指数は昨年10月以降に発生したリスク回避相場のリトレースメント61.80%の水準2,713レベルの突破に成功し、重要レジスタンスポイントである2,820が視野に入ってきた。また、世界の株価指数の騰落率(年初来、米ドル建てベース)も、4日時点では総じてプラス圏を維特。特に主要な新興国株式(ブラジル/トルコ/中国)のパフォーマンスはS&P500のそれを上回る。投資家のリスクセンチメントが改善傾向にあることは明白である。
【チャート1:S&P500 / VIX】
・ドル円は110円台の攻防シフトが焦点 ユーロドルは1.1400トライを意識
上記の通り世界の株式市場はリスク選好相場へと回帰している。特に米株が崩れない限り、ドル円は底堅い展開を維持しよう。まずは昨日高値110.16の突破が焦点だが、52週MAが推移している110.23の攻防をより注視したい。52週MAの突破に成功する場合は、オファーが観測されている110.50および110.80が次のターゲットとなろう。FEDの金融政策リスクが後退し、且つ重要指標データが米国経済の堅調さを示す状況の下、目先米株の下落要因(=ドル円の下落要因)として注視すべきは、米中通商協議の動向である。これに関する新たなネガティブ報道がある場合、米株には反落圧力が高まろう。しかし、指標データで米国経済の景気後退が明確に確認されない限り、下落幅は限定的(=調整の反落)となろう。本日は21日MA(109.16前後)の維持が焦点となろう。109.20にはビッドの観測あり。
徐々に上値が切り下がっているユーロドルは下値トライを警戒したい。「米株の上昇維持→米長期金利の反発」を背景に米独利回り格差は再び拡大傾向にある。また、リスクリバーサル(1週間)は低下基調へ転じている。このタイミングで本日発表される欧州の指標データが市場予想を下回る場合、昨日相場をサポートした21日MA(1.1424前後)を下方ブレイクし、1.1400をトライする展開を意識したい。1.1400を下方ブレイクする場合は、プロジェクション50.00%の水準1.1373レベルまでの下落を警戒したい。一方、上値の焦点は昨日高値1.1465および1日高値1.1488となろう。また、米ドル高を背景に国際商品市況が抑制状態にある。資源国通貨(豪ドル/カナダドル等)も対ドルで下落する展開を警戒したい。
【チャート2:ドル円】
【チャート3:ユーロドル】
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