投資家の根強いリスク選好姿勢と調整要因
株式の各ボラティリティ指数を確認すると、現在の投資家のリスク選好姿勢の強さがわかります。米中通商協議のネガティブ報道、および米中指標データの冴えない内容が目先のリスク要因となりそうです。詳細は本日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・投資家の根強いリスク選好姿勢とネガティブ要因
昨日の海外外為市場は円買い優勢の展開となった。1月米小売売上高が予想外に落ち込み、またトランプ米大統領が非常事態宣言に踏み切るとの報道も意識され、この日の米国市場はリスク回避(=株安/金利低下)の展開に。ドル円は110.45まで下落する局面が見られた。一方、ユーロドルは米独利回り格差の縮小を背景に反発。高値1.1310まで上昇した。昨日の動向は、円相場のトレンド決定要因が株式市場の動向であること、米ドル相場のトレンド決定要因が利回り格差の動向であることを示唆している。米長期金利がFEDの政策転換によって低下圧力に直面しやすい現状を考えるならば、その相殺要因として株高がどこまで継続するか、この点が円相場と米ドル相場のトレンドを見極めるための重要な焦点であり続けよう。
米株と新興国株式ETFの各ボラティリティ指数を確認すると、いずれも20ポイント以下で推移している。特に注視すべきは、昨年後半の下落をけん引したハイテクセクターの底堅さである。ナスダック100は節目の7,000ポイント台を回復。そのボラティリティ(VXN)は17ポイント台で安定的に推移している。一方、新興国株式ETFのボラティリティ(VXEEM)も現在の投資家のリスク選好姿勢の強さを示唆している。これらの状況を考えるならば、株式市場は調整を挟みながら緩やかな上昇トレンドを維持する可能性が高い。その調整要因として注視すべきは、米中通商協議に関する突発的なネガティブ報道および冴えない米中の指標データとなろう。
【ボラティリティ指数チャート】
・ドル円は株式にらみ ユーロドルは米指標データにらみ
本日のドル円は引き続き株式動向に左右されよう。想定レンジは109.80-111.30。米株が反落したことで国内株式は上値の重い展開を想定したい。株安圧力が高まる要因として警戒すべきは、中国指標データ(10時30分、PPI / CPI)が大きく下振れる場合である。米国の各種指標データも総じて市場予想を下回る場合、米国市場は昨日と同じ展開となろう。このケースでは、21日MAが推移している109.80レベルまでの下落を警戒したい。一方、上記の指標データが日米株式をサポートするケースでは、レジスタンスポイント111.30を視野に上値トライの展開を想定している。110.00および109.80にはビッドが観測されている。111.20にはオファーの観測あり。
ユーロドルは米指標データにらみの展開となろう。想定レンジは1.1240-1.1340。昨日同様、米指標データが冴えない内容となる場合、1.1350トライとなろう。逆に米指標データが総じて良好ならば米独利回り格差の拡大を背景に1.1240トライを意識したい。1.1330-50には断続的にオファーが並んでいる。一方、1.1240から1.1200にかけては断続的にビッドの観測あり。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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