調整の米株 焦点は米指標データ
昨日の米国株式市場では主要3指数が下落しました。テクニカル面での下落(調整の反落)であり、ファンダメンタルが崩れない限り、昨年12月のような展開になる可能性は低いと考えています。焦点は引き続き米指標データとなるでしょう。また、東京時間は中国の指標データおよびRBAイベントにも注目です。詳細は本日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・調整の米株 焦点は米指標データ
4日の米株は主要3指数がそろって下落した。株安を受け米長期金利も低下。これらの動向を受けドル円も111.63まで下落する局面が見られた。投資家心理を反映するVIX/VXNの両指数を確認すると、未だ低水準で安定的に推移している。米中通商問題解決の期待感が高まっている状況も考えるならば、昨日の米株下落はテクニカル的な要因が大きいだろう。事実、S&P500指数は昨年後半に上値をレジストした2,820レベル手前で上値がレジストされている。また、昨年12月26日から上昇一辺倒だったことから、ボラティリティも6%の水準へ向け低下し続けている。低すぎるボラティリティは株安シグナルのひとつである。しかし、株安局面が散見されても米国のファンダメンタルズが崩れない限り、下落幅は限定的となろう。そのファンダメンタルズを考える上で引き続き指標データに市場の関心が集まろう。本日は2月ISM非製造業景況指数や12月新築住宅販売件数が発表される。総じて市場予想を上回るならば「米株反発→長期金利反発」の展開を想定している。外為市場では米ドル買い優勢の展開となろう。一方、市場予想以下ならば、米国市場は昨日と同じ展開となろう。外為市場では米ドル売り圧力が高まろう。だが、金利差次第では、昨日のユーロのように対米ドルで下落する展開を想定する必要がある(独金利が米金利以上に低下する局面が見られたことでユーロドルは1.1307まで下落)。
米指標データ以外で注視すべきは、豪準備銀行(RBA)イベントとなろう。政策金利は1.50%で据え置き予想となっている。よって焦点は声明文にあろう。4日のレポートでも指摘したが、中国経済の減速を受けRBAがハト派スタンスへ傾斜する場合、豪ドル売りを想定している。RBAイベント前に発表される2月 Caixinサービス部門購買担当者景気指数も豪ドル相場の変動要因として注視したい。また、本日から中国の全国人民代表大会(全人代)が開幕する。今年の経済成長率の引き下げ(6.5%前後 → 6%台前半)、外国企業の技術を中国に強制移転させることを禁ずる法案を成立させ構造改革をアピールする等の観測報道がすでに出ており、外為市場を大きく変動させる可能性は低い。
【VIX / VXNチャート】
【S&P500チャート】
・ドル円は112.00の突破 ユーロドルは1.13台の維持
今日のドル円は112.00突破が焦点となろう。良好な米指標データが確認される場合、112円トライを想定している。逆に指標データが市場予想を下回る場合は、200日MA(111.35)を視野に下落幅の拡大を警戒したい。しかし、米株が大きく崩れない限り、21日MA(110.71)で反転する展開を予想する。112.00にはオプションバリアの攻防が想定される。111.50-40および111.00にはそれぞれビッドの観測あり。
ユーロドルは1.13台の維持が焦点となろう。米指標データが良好な場合、米金利上昇を背景に米独利回り格差が拡大しよう。このケースではビッドが観測されている1.1300ブレイクを警戒したい。一方、米指標データが冴えない場合は独金利の動向次第でトレンドが決定されよう。昨日同様、米独利回り格差が拡大する場合は、やはり1.1300ブレイクを警戒したい。逆に利回り格差が縮小する場合は、リトレースメント61.80%を視野に上値トライの展開となろう。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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