米金利が低下しても米ドル高となる背景
昨日の米債市場では長期金利が低下しました。しかし、外為市場では米ドル買い優勢の展開となりました。通常、米金利の低下は米ドル安要因です。なぜ真逆の展開となったのか?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米金利が低下しても米ドル高となる背景
12日の海外外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。昨日の動向で注目すべきは、米長期金利(以下米金利)が低下したにもかかわらず、対主要国通貨で軒並み米ドル高優勢となったことだ。通常ならば米金利の低下は米ドル安要因であるが、昨日は真逆の展開となった。しかし、これは不思議な現象ではない。このレポートでは、何度か外為市場のトレンドパターンについて述べてきた。昨日の動向もこのパターンのひとつに過ぎない。それは、「株安/米金利低下」の局面ではリスク性の高い通貨-新興国通貨や資源国通貨が売られやすい-というパターンである。「株安/米金利低下」に加え、昨日は原油価格も下落した。つまり典型的なリスク回避相場だった。この状況下ではリスク性の高い通貨に売り圧力が高まることで、それが米ドル相場のサポート要因(=米ドル高の要因)になった、というわけである。だからこそ、新興国通貨はリスクセンチメントのバロメーター通貨になる(12日のレポート「リスクセンチメントのバロメーター通貨」を参照)。尚、リスク回避局面で最も買われやすい通貨が日本円であるパターンは未だ健在である。実際、昨日のドル円は108.20まで下落。その後反発するも108.57で抑制され陰線引けとなった。FEDによる利下げの可能性とそれを高めるインフレの低下(コアPCEとCPIの低下)、そして来週にFOMCが控えている状況を考えるならば、米金利が反発基調へ転じる可能性は低い。よって、目先の外為市場のトレンドパターンは株式動向次第で決定されよう。昨日のように「株安/金利低下」の局面で最も売り圧力が高まるのがリスク性の高い通貨であり、最も買い圧力が高まるのが日本円と想定。一方、「株高/金利低下」の局面で最も売り圧力が高まるのが米ドルであり、最も買い圧力が高まるのがリスク性の高い通貨と想定する。
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は108円を中心に売り買い交錯の展開を予想する。米株で再び調整相場となっている状況を考えるならば、108.00トライを警戒したい。このレベルにはビッドが観測されている。だが、リスク回避圧力が高まっているわけではないので、108.00ブレイクとなっても、重要サポートポイント107.80の維持を予想する。このレベルにもビッドの観測あり。一方、上値の焦点は109.00トライで変わらず。このレベルにはオファーが観測されている。テクニカル面では21日MA(109.10前後)の攻防が焦点である。
ユーロドルは1.1300を挟んで上値の重い展開を予想する。現状、米金利の低下がユーロドルのサポート要因となっている。しかし昨日、ECBによる量的緩和再開の可能性を示唆する報道が流れた。今後は米ドル売りとユーロ売りの圧力がぶつかり合う状況になるだろう。目先の上限を1.1347(6/7高値)と想定する。一方、下値の焦点は短期サポートラインの維持となろう。1.1350ではオプションバリアの攻防が想定される。一方、短期サポートラインが推移している1.1270にはビッドの観測あり。
【ドル円】
【ユーロドル】
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