米金利の上昇とリスクセンチメント
米金利の反発基調が続く限り、米ドル相場も底堅い状況が続くと予想します。問題は金利の上昇が昨年のようなリスク要因として捉えられるかどうか?です。今回はその可能性は低いと考えています。その理由は?マーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米金利の上昇とリスクセンチメント
米長期金利(以下米金利)は反発基調を維持している。昨日はFOMC後のキャップ水準である2.07%を突破し、2.072%まで上昇する局面が見られた。米金利の反発基調は米ドル相場のサポート要因である。事実、9日の外為市場はスイスフランを除く主要な先進国通貨で米ドル高となった。米金利の反発局面で注視すべきは、それがFEDリスク(=金利上昇リスク)を再燃させるかどうか、である。この点を見極める上で重要なのが、市場が抱く利下げ観測の動向である。金利先物市場から算出される7月FOMCの動向を確認すると、99.5%の確率で25ベーシスポイント(0.25%)の利下げに踏み切ることを市場は予想している(つまり事実上100%の利下げを予想)。この事実を重視するならば、現在の反発基調は雇用者数の増加を口実とした米債ロング解消の調整相場であると考えられる。よって「FEDリスク再燃→米株の下落」の可能性は現時点で限りなく低い。また、投資家のリスク選好スタンスが根強いことは新興国通貨の動向も示唆している。この点は9日のレポート「米金利にらみの外為市場」でも指摘したが、昨日はメキシコペソ以外、主要な新興国通貨は対米ドルで売り買いが交錯する展開となった。これまで米金利が上昇基調を維持する局面では米ドル全面高になるパターンが多く見られた。しかし、今回の米金利上昇局面では新興国通貨の一角が買われる展開となっている。リスク性の高い通貨に対する根強い買い需要は、投資家がリスクを取りに行くスタンスを維持していることを示唆している。この点からも現在の金利上昇に米株がヒステリックに反応する可能性が低いことが見て取れる。
【米長期金利】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は米金利にらみの展開が続こう。その米金利はパウエル証言によりトレンドが決定されよう。利下げ期待が再び高まる場合は、109.00前後でレジストされての反落を予想する。だが、米株高基調が続いている状況を考えるならば、21日MA(108.08前後)でサポートされる展開を予想する。一方、パウエル証言が一時的にせよ利下げ期待を後退させる内容となれば、109円台の攻防シフトを想定したい。テクニカル面での焦点は、リトレースメント61.80%の109.18および5月下旬に上値をレジストした109.60-70ゾーンとなろう。109.10、109.30、109.50および109.60にはそれぞれオファーが観測されている。
ユーロドルも引き続き米金利にらみの展開となろう。米金利が低下するならばユーロドルの反発を予想する。21日MA(1.1281前後)を上限にオプションバリアの攻防が想定される1.1255レベル、オファーが観測されている1.1270レベルの攻防を注視したい。一方、米金利の反発が続く場合は、1.1180レベル(6/18安値)の攻防が焦点となろう。この水準にはビッドが観測されている。1.1180レベルを完全に下方ブレイクする場合は、同じくビッドが観測されている1.1150を次のターゲットと想定したい。この水準は先月3日に相場をサポートした経緯がある。
【ドル円】
【ユーロドル】
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