株高と外為市場のトレンドパターン
米株の各ボラティリティ指数は急速に低下。主要な欧州&新興国の株価指数の底堅い状況も考えるならば、リスクセンチメントは改善傾向にあります。この状況下での外為市場のトレンドは、米長期金利の動向に左右されるでしょう。詳細はマーケットレポートにて。
Analysis Highlights
・株高と外為市場のトレンドパターン
NSDQ100を原資産とした米株のボラティリティ指数VXNは、警戒水準の20ポイントを完全に下方ブレイクしてきた。一時、リスク回避相場が加速する水準25ポイントを突っかける動きが見られた同指数の低下は、米中貿易摩擦に対する懸念が後退していることを示唆している。米株の反転基調維持を想定する場合、外為市場のトレンドは米長期金利(以下米金利)の動向に左右されよう。昨日のような「米株高 / 米金利上昇」の局面では、米ドル高の展開を予想する。米株の上昇が米金利の低下圧力の後退要因となり、その影響より米ドル相場がサポートされるからだ。一方、最弱通貨となり得るのが日本円である。「米株高 / 米金利上昇」は典型的なリスク選好相場であり、それゆえ日本円には売り圧力が高まり易い。
一方、「米株高 / 米金利低下」の局面で最も買われやすいのが新興国通貨と資源国通貨である。米中貿易摩擦問題の下火により資源需要の縮小懸念が後退すること、株高によるリスク選好の恩恵を受けること、そして金利の低下による米ドル高の悪影響を避けることができること-これら三点のポジティブな影響を受けるのが新興国と資源国の通貨だからだ。米国とイランの緊張関係が高まっている現状を考えるならば、原油価格上昇の恩恵も受けやすいカナダドル、メキシコペソそしてロシアルーブルが対米ドルで上昇すると予想する。
投資家のリスクセンチメントは改善傾向にある。だが、米株の下落要因として引き続き米中貿易摩擦に関する報道には注視する必要があろう。特に中国の通信機器大手ファーウェイに関連した報道がハイテクセクターの売り圧力を再び高める可能性がある。一方、米金利の低下要因として本日注視すべきは米指標データが総じて市場予想を下回る場合である。米株とは違い米金利は、冴えないデータ内容に素直に反応する傾向にある。
【VXN(ナスダック100)】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は堅調地合いを想定する。目先の焦点は、先月26日以降相場をレジストし続けている10日MA(109.90前後)の突破だが、これを達成する場合は110円台の攻防シフトを予想する。テクニカル面では21日MA(110.81前後)のトライに注目。110.00、110.50および110.80にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は109円台の維持である。テクニカル面での焦点はフィボナッチ・プロジェクション38.20%の水準109.05の攻防で変わらず。109.00にはビッドの観測あり。
ユーロドルは上値の重い展開を予想する。短期サポートラインの下方ブレイクはさらなる下値トライのシグナルと想定される。よって、今月6日以降相場をサポートしている1.1150レベルが本日の攻防分岐となろう。このレベルを維持する場合は、調整の反発が見られよう。だが、ユーロ圏の経済状況とイタリアの財政問題を考えるならば、1.1220レベルまでの上昇が限界と予想する。一方、1.1150を下方ブレイクする場合は、今月3日安値1.1133レベルでダブルボトムを形成するかが注目ポイントである。1.1150から1.1100にかけては断続的にビッドが並んでいる。
【ドル円】
【ユーロドル】
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