原油価格と米長期金利
4月以降の米長期金利は、原油価格に連動して上下に振れていることがわかります。中国リスクが意識されている限り、原油価格の持続的な上昇トレンドはのぞめません。よって、米長期金利も低空飛行状態が続くと思われます。その際のドル円とユーロドルの動向は?マーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・原油価格と米長期金利
5月以降、NY原油価格に対して下落圧力が高まり、現状1バレル=60ドル以下での値動きが続いている。注目すべきは、原油価格の動きに米長期金利(以下米金利)が連動し始めていることである。この現象が発生し始めたのは4月以降である。この時は中国経済に対する楽観的な思惑が台頭し、原油価格は上昇基調にあった。そして5月以降は真逆の思惑(=悲観的な思惑)が台頭し、上記の状況となっている。つまり、中国経済に対する思惑が原油価格のトレンド決定要因であり、その動きに米金利が追随している状況となっている。中国サイドがレアアース禁輸をちらつかせてきたことで、米中対立の行方は未だ混とんとしている。イラン情勢が原油価格のサポート要因となっても、節目の60ドルがレジスタンスとして意識されている現状を考えるならば、来月のG20会議まで原油価格が急騰する可能性は低いだろう。よって、米金利が持続的な上昇トレンドを描く可能性も低い。米金利の低空飛行が続く限り、ドル円は上値の抑制された展開が続こう。株高の局面では上値トライとなるだろうが、米金利の持続的な上昇が同時に発生しない限り、各テクニカルポイントや111.00、112.00といった節目の水準で反落する展開を想定したい。
一方、直近のユーロドルは、ドル円以上に中国リスクの影響が大きいことを示唆している。この点は、先週より対オセアニア通貨でユーロ安基調となっていることでもうかがえる。最大の要因は、2018年以降低迷しているドイツ経済にある。中国は2016年、2017年と2年続けてドイツ最大の貿易相手国だった。その中国経済に対するリスクが意識され続ける限り、「ドイツ経済の低迷→域内経済の低迷→米独ファンダメンタルズ格差」という思惑がユーロ相場の抑制要因となろう。
【NY原油価格 / 米長期金利】
・ドル円とユーロドルの展望
ドル円は引き続き株式にらみの展開が続こう。VXN指数(原資産ナスダック100)は22.23ポイントまで上昇中。米株続落となれば、ドル円は109円前半の攻防が焦点であり続けよう。テクニカル面でのポイントは昨日と変わらず。109.05ブレイクは109円ブレイクと想定したい。109.05と109.00ではオプションバリアの攻防を想定。また、109.00にはビッドが観測されている。株高局面での焦点は21日MAの突破となろう。今日現在、このMAは109.98まで低下している。109.70および110.00にはオファーの観測あり。だが、米国市場がリスク選好相場へ回帰しない限り、110.70レベル(5/21高値水準)を突破する可能性は低い。
ユーロドルは1.11台の維持が焦点となろう。本日はユーロ圏や米国の重要指標データの発表はない。また、直近の動向を考えるならば、続落しても1.1110前後で反発する展開を想定したい。1.1100にはビッドの観測あり。また、オプションバリアの攻防も想定される。反発局面での焦点は、昨日指摘した短期レジスタンスラインとなろう。このラインは今日現在、1.1200レベルで推移中。1.1100同様、この水準でもオプションバリアの攻防が想定される。
【ドル円】
【ユーロドル】
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