米金利のトレンドは指標データ次第
パウエル証言により米金利は再び低下。外為市場では米ドル売り優勢の展開となりました。米金利が外為市場のトレンド決定要因となっています。その米金利は今後、指標データの内容に右往左往する展開となるでしょう。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米金利のトレンドは指標データ次第
パウエルFRB議長は11日の議会証言で改めて利下げの必要性について言及した。だが、経済情勢や金融政策について目新しい発言内容は見られなかった。それにも関わらず米国市場は「株高 /金利低下」で反応。注視すべきは6月雇用統計以降、反発基調へ転じている長期金利(以下米金利)の動向である。昨日は一時2.1%台まで到達する局面が見られた。しかしパウエル証言以降、再び低下圧力が高まり、6月FOMC後のキャップ水準2.07%を再び割り込む展開となっている。この状況は2つの重要な点を示唆している。ひとつは、直近の反発が積みあがった米債ロングの一部解消に伴う現象であること。もうひとつは、FEDが再びタカ派スタンスへ転換しない限り、米金利の低空飛行状態は続く可能性が高いということだ。よって、今後米金利のトレンドを見極める上で重要なファクターは米指標データとなろう。特にFEDが注視しているインフレ関連指標の重要性は増している。今日は6月消費者物価指数(CPI)が発表される。抑制傾向にある賃金動向がインフレの低下要因となっていることが確認されるならば、米金利には低下圧力が高まろう。このケースでの外為市場は、新興国通貨および資源国通貨の上昇を予想する。株高トレンドが続くことを想定するならば、米金利の低下はリスク性の高い通貨への資金シフトを促す要因となるからだ。事実、昨日は主要な新興国通貨や資源国通貨が対米ドルで軒並み上昇した。また、ユーロドルも反発基調を維持しよう。一方、ドル円だが、109.00手前でキャップされた状況を考えるならば、株高よりも米金利の動向の方がトレンド決定要因となっている。よって、米金利の低下は下落要因として意識すべきだろう。逆にCPIが市場予想以上ならば、対主要国通貨で米ドル買い優勢の展開を予想する。
【米長期金利】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円も米金利にらみの展開となろう。その米金利はCPIの内容次第でトレンドが左右されよう。市場予想を上回る場合は109.00の突破が焦点となろう。この水準にはオファーが観測されている。109円台の攻防へシフトする場合は、同じくオファーが観測されている109.20、109.50そして109.60をレジスタンスポイントと想定している。一方、CPIが市場予想以下となる場合は、21日MA(108.06前後)の維持が焦点となろう。108.00にはビッドの観測あり。107円台の攻防へシフトする場合は、6月28日と7月3日に相場をサポートした107.50の維持が次の焦点となろう。この水準にもビッドの観測あり。
ユーロドルも米金利とCPIにらみの展開を予想する。「良好なCPI→米金利の反発」のケースではサポートポイント1.1180(6/18安値)のブレイクを警戒。一方、CPIが予想以下となる場合は反発基調の維持を予想する。このケースでの焦点は、21日MA(1.1282前後)の突破となろう。1.1180にはビッド、1.1270-80ゾーンにはオファーが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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