FEDの先行き見通しと米株の反応
今日はFOMCにみらみの展開となるでしょう。焦点はこのレポートで述べてきたとおりFEDのアウトルックと米株の反応です。ドル円は米株の動向次第でトレンドが左右されると予想します。一方、ユーロドルは米金利の動向がトレンド決定要因となるでしょう。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・FEDの先行き見通しと米株の反応
30日の主要な株価指数は軒並み下落した。これを受け外為市場では円高優勢の展開となった。本日の焦点は7月FOMCだが、各市場が0.25%の利下げをすでに織り込んでいる状況を考えるならば、焦点は国内外の経済見通しに関するパウエルFRB(以下FED)の見解となろう。そして注目すべき市場は米国株式である。その米株だが、ベンチマークのS&P500指数は最高値圏での攻防が続いている。FEDが強気の見通しを示し株高で反応する場合、もしくは弱気の見通しを示しても緩和スタンスの維持が意識され株高トレンドを維持する場合、米国市場のリスク選好相場(=米株高/金利反発)を背景にドル円は重要レジスタンスポイント109.00の上方ブレイクを予想する。一方、ユーロドルは重要サポートポイント1.1100の下方ブレイクを予想する。筆者が警戒しているのは米株の調整である。強気の見通しが「FEDは緩和的でない」という市場の警戒心を高める場合、もしくは弱気の見通しが先行き警戒感を市場関係者に意識させる場合、米株には調整圧力が高まろう。しかし、筆者がより注視しているのはS&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算で算出した値)の動向である。現状、このレポートで再三指摘してきた「低すぎる水準6%台」へ向け低下基調を辿っている。ボラティリティが低下傾向にあるということは変動幅が徐々に縮小していることである。最高値圏で変動幅が縮小しているということは、これ以上上値を追うことに対して投資家が警戒感を高めていることを示唆している。6%台の水準までまだ若干の余裕がある。だが、実勢相場が3,022レベルまで上昇する場合(昨日の終値から10ポイント以上上昇する場合)、6%台へ突入する。FOMC直後に株高となっても2018年以降のパターン(=ボラティリティが6%台の水準へ低下した後に新たなボラティリティの拡大が発生するパターン)を重視するならば、調整の反落リスクを警戒すべきフェーズにある。
【S&P500指数】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円はFOMC後に動くだろう。上下どちらに振れるかは上述した米株の動向次第だが、上昇基調を維持する場合は109.00トライ&突破を予想する。109円台へしっかり乗せてくる場合、オファーが観測されている109.20、109.50および109.60での攻防を注視したい。特に109.60は大陰線が示現した5月31日高値レベルに相当する。一方、下値の焦点は108円台の維持となろう。21日MA(108.24前後)の下方ブレイクは108.00トライのシグナルと想定したい。108.20および108.00にはビッドが観測されている。米株の調整幅が拡大する場合は、過去に相場をサポートした107.80および107.60レベルでの攻防が焦点。
ユーロドルもFOMC後に大きく動くだろう。焦点は重要サポートポイント1.1100の維持で変わらず。FEDが弱気の見通しを示す場合、1.1100の維持を予想すると同時に1.1200を突破できるどうか、この点が焦点となろう。1.1180から1.1200にかけては断続的にオファーが観測されている。また、オプションバリアの攻防も想定される。一方、FEDが強気の見通しを示す場合は1.1100の下方ブレイクを予想する。このケースでは1.1090下に観測されているストップを巻き込み、1.1080もしくはフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準1.1065前後までの下落を警戒したい。
【ドル円】
【ユーロドル】
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