指標データと金利の動向
株高トレンドの維持を軸と考える場合、やはり気になるのは金利の動向です。米金利は反発基調にありますが、2.5%台でキャップ状態。一方、独金利の動向ですが、直近は中国の良好な指標データに敏感に反応し反発圧力が高まっています。米国のみならず中国の指標データにも注視する日々が続きそうです。ユーロドルのトレードを考える場合は特に。今日のマーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・指標データと金利の動向
15日の米株は反落。だが、VIX(S&P500)やVXN(ナスダック100)は低水準で安定的な推移が続いている。欧州と主要な新興国の株価指数が総じて上昇したことも考えるならば、投資家のリスク選好スタンスは根強い。一方、米長期金利(以下米金利)は、良好な指標データが意識され2.574%まで上昇する局面が見られるも、米株の調整売りと原油安の影響により2.58%手前でレジストされた。
米株の焦点は四半期決算、米金利の焦点は指標データで変わりなし。米株高の維持を軸に考えるならば、目先、外為市場のトレンドは米金利の動向に左右されよう。「株高 / 米金利低下」の局面、つまり株高のみの歪なリスク選好相場では、新興国通貨が選好されやすい。この点は当レポートで再三指摘してきた。事実、昨日もブラジルレアル以外は対米ドルで上昇するか横ばい推移となった。また、この局面で注視すべきはユーロドルの動向である。ファンダメンタルズと金融政策の両面で買う要因が見当たらないユーロだが、4月に入り短期サポートラインを形成しつつ1.13台の回復に成功している。通貨オプション市場ではユーロのリスクリバーサル(1ヶ月)が4月以降上昇へ転じ、ユーロ売りリスクの後退を示唆している。この主因は米独利回り格差の縮小傾向にある。4月以降に発表された中国の良好な指標データが独金利の上昇圧力を高める一因となっており、このタイミングで米金利の上昇が抑制される場合、米独利回り格差の縮小傾向が続くことで、ユーロドルは反発基調を維持しよう。
・ドル円、ユーロドルともに金利にらみ
株高トレンド維持を背景に今日のドル円も堅調地合いを想定する。上値の水準は米金利の動向次第で決定されよう。だが、本日は米ドル相場に大きな影響を与える指標データの発表は予定されていない。よって、米金利は株式と原油価格にらみの展開を想定する。両市場が上昇する場合、ドル円は112.20レベルの突破が焦点となろう。テクニカル面での焦点は、昨年10月上旬高値114.54を起点とした短期レジスタンスラインである。一方、下値の焦点は111円台の維持となろう。21日MA(111.15前後)の下方ブレイクは111.00トライのシグナルとして意識したい。112.10、112.20および112.25-50のゾーンにはオファーが観測されている。111.30と111.00にはビッドの観測あり。
ユーロドルは米金利と同時に独金利の動向もトレンド決定要因となろう。4月独ZEW景況感調査が市場予想(0.8)を上回るケースでは、独金利の上昇とユーロドルの反発基調維持を予想する。このケースではプロジェクション50.00%の水準1.1318の突破(ローソク足の実体ベースでの突破)が焦点となろう。次の上値の焦点は1.1330レベルを想定する。一方、下値の焦点は21日MA(1.1273前後)の維持となろう。4月2日安値1.1181を起点とした短期サポートラインを下方ブレイクしない限り、現在の反発トレンド継続を想定する。
【ドル円チャート】
【ユーロドルチャート】
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