米株の調整要因とドル円
パウエル発言により米国株式市場では再び調整圧力が高まっています。米金利の低空飛行状態が今後も続くことを想定する場合、米株の動向はドル円の下値の水準を決定する重要なファクターとなります。その場合の下値の焦点は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・米株の調整要因とドル円
パウエルFRB議長は昨日のスピーチで、経済全体の状況を注視しならが今後の情勢を見守る(looking at the overall situation and wanting to see more)と指摘。また、短期間で発生する一時的な現象について過剰に反応しないことが重要(it’s important not to overreact in the short term to things that happen to be temporary or transient)とも述べた。市場がはやす早期&複数回の利下げをけん制したと米国株式では捉えられ、主要3指数は下落した。25日のレポート「焦点は米指標データとパウエル発言」で指摘したとおり、現状、米長期金利(以下米金利)に対しては恒常的に低下圧力がかかりやすい状況にある。よって、外為市場のトレンドは株式動向、特に米株の動向でトレンドが左右されよう。中でも注視すべきはドル円である。米金利の低空飛行が避けられない状況である以上、米株の動向により下値の水準が決定されるからだ。その米株だが、上述した通りパウエル発言により調整色が高まってきた。さらに調整が進行するかどうか、目先は米中首脳会談に関する観測報道、イラン情勢の動向および米指標データの内容次第となろう。特に注視すべきは後者2つのイベントである。米国サイドがイランに対し新たな(軍事)行動に出る場合、もしくはイランサイドが報復に出る場合、G20会議を前にした調整理由として米国株式市場で捉えられよう。また、昨日の米指標データが総じて市場予想を下回ったタイミングで、本日の5月耐久財受注が市場予想を下回れば、ファンダメンタルズに対する懸念が米株の売り圧力を高める展開が予想される。米株が崩れる場合、ドル円は昨日安値106.77レベルの攻防が焦点となろう。
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は、107円を挟んでの売り買い交錯相場を予想する。上値の焦点は107.50前後の攻防である。107.43は直近高安のリトレースメント38.20%の水準にあたる。また、107.50ではオプションバリアの攻防が予想される。107.50の突破に成功する場合は、リトレースメント50.00%の水準107.63を次の上値ターゲットと予想する。警戒すべきは米株の調整進行による下値トライのケースである。焦点は昨日安値106.77の維持となろう。この水準を下方ブレイクする場合、ビッドが観測されている106.50が次の下値ターゲットとして浮上しよう。
ユーロドルは1.14台トライの継続を予想する。テクニカル面での焦点は、プロジェクション100.00%の水準1.1412である。昨日はこのテクニカルで見事に上値がレジストされた。突破に成功する場合、次の焦点は1.1448(3/20高値)となろう。1.1415、1.1420および1.1430にはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は昨日安値1.1342の維持となろう。下の水準1.1330にはビッドが観測され始めている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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