米金利の低空飛行状態
米株は最高値圏での攻防が続いています。しかし、米長期金利はあっさりと2.0%の水準を再度下方ブレイクしました。この状況が続く限り、米ドル売りの局面も散見されるでしょう。このような状況の中、ドル円とユーロドルの展開は?マーケットレポートをご参照ください。
Analysis Highlights
・米金利の低空飛行状態
2日の米株は続伸。ベンチマークであるS&P500指数は連日で最高値を更新した。一方、米国債券市場では長期金利(以下米金利)が再び節目の2.0%を割り込み、1.1974%まで低下する局面が見られた。米金利の低下は米ドル安要因となり、英ポンドを除く対先進国通貨で米ドルは下落した。中でも対円での下落幅が目立った。株高トレンドが継続しているにもかかわらず108円ミドルで上値が抑制され、且つ107円台へ反落した事実は、「米金利低下→米ドル安」の影響力の大きさを示唆している。その米金利の反発要因だが、株高にも原油高にも追随出来ないとなれば、目下のところ良好な米指標データしかない。本日は6月ISM非製造業景況指数が発表される。市場予想以上ならば米債ロングへの調整圧力が高まり、金利は小幅に反発しよう。米金利の反発は米ドル相場のサポート要因となろう。「米株高の維持/米金利の反発」ならば、ドル円は108円ミドルをターゲットに反発の展開を予想する。警戒すべきは冴えない指標データが確認されるケースである。この場合はさらなる米金利の低下が予想されることに加え、明日が独立記念日であることを考えるならば、米株の調整要因ともなろう。「米株の反落/米金利の低下」ならば、107円台の維持が焦点となろう。
一方、米金利の低下はユーロドルのサポート要因である。この点は昨日の動向が示唆している。だが、域内の冴えない指標データおよびECBによる追加緩和の可能性が意識されている現状を考えるならば、FEDがさらに緩和スタンスを強化しない限り、目先は1.1400レベルを上限と予想している。
【米株・NY原油・米長期金利の動向】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は売り買い交錯を予想する。108円ミドルでレジストされ、短期レジスタンスラインが示現。さらに21日MA(108.05前後)をあっさりと下方ブレイクしている状況も考えるならば、米金利の低下による下押し圧力は強い。米株が反落する場合、107.55(6/28安値)の維持が焦点となろう。この水準を挟んではビッドが展開している(107.60-40ゾーン)。米株の下落幅次第では107.00トライとなる可能性がある。107.00ではオプションバリアの攻防が予想される。一方、上値の焦点は21日MAの再突破である。これに失敗するようだと、地合いの弱さを市場に印象付けよう。
ユーロドルは堅調地合いを予想する。米中会談を受けて尚、米金利の低空飛行状態が続く状況はユーロドルのサポート要因である。21日MA(1.1297)の突破に成功する場合、1.13台の攻防へシフトしよう。このケースでは昨日高値1.1319の突破が焦点となろう。一方、「良好な米指標データ→米金利反発」のケースでは、昨日相場をサポートし、且つビッドが観測されている1.1270の維持が焦点となろう。この水準を下方ブレイクする場合は、同じくビッドが観測されている1.1250が次の下値ターゲットとして浮上しよう。6月20日の大陽線の安値1.1224を挟んではビッドが展開している(1.1240-1.1220)。
【ドル円】
【ユーロドル】
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