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米中問題のバロメーターとしてのボラティリティ指数

米株のボラティリティ指数にはいくつかあります。代表的なのがVIX(恐怖指数)でしょう。しかし、米株高のけん引役がハイテクセクターである以上、VIX以上に注視すべきはナスダック100のボラティリティ指数(VXN)と考えます。米中貿易摩擦が再燃している現状ならなおさらこのボラティリティ指数の動向が重要です。詳細はマーケットレポートにて。

Analysis Highlights

・米中問題のバロメーターとしてのボラティリティ指数

米国サイドは8日、今週10日に中国製品(2000億ドル相当)に対する制裁関税を現在の10%から25%に引き上げることを正式に表明した。この問題については現状、楽観論と悲観論が交錯しているが、通商協議前から米国がカードを切り、中国がすかさず報復の意識を示す状況を考えるならば、今週の各市場はリスク回避相場で推移する展開を想定したい。
昨日の米国債券市場は、不調な入札結果により米長期金利が上昇した。一方、米国株式市場では、ダウ平均がかろうじて反発したもののS&P500とナスダック総合指数は続落。昨日の米国市場を簡単に表現するならば「米金利上昇/米株軟調」ということになるが、この局面での外為市場では、米ドル買い以上に円買い圧力が高まり易いことは8日のレポート「焦点は米株の動向」で指摘済み。実際、円相場はクロス円、特にポンドやオセアニア通貨を中心に円買い優勢となり、ドル円も陰線引けとなった。今週の米金利が低下基調を辿ることを軸と考えるならば、目先注視すべきはやはり株式動向、特に米株の動向である。米株の代表的なボラティリティ指数であるVIXは、警戒水準とされる20ポイントを2日連続で突破する局面が見られた。しかし、現在のリスク要因が米中通商協議の不透明感にある以上、より注視すべきはナスダック100のボラティリティ指数(VXN)の方である。こちらは20ポイントの水準を完全に突破し、リスク回避相場発生の可能性が高まる25ポイントを突っかける動きがあった。ハイテクセクターは米株高のけん引役であり、ここが崩れるようならばVIXも20ポイントの水準を完全に突破してこよう。この場合、「米金利低下/株安」を背景に外為市場では日本円が最強通貨となろう。

【米株のボラティリティ指数】

VIX VXN S&P500 ナスダック100 ボラティリティ

・ドル円とユーロドルの展望

今日のドル円は売り買い交錯を想定する。米中通商協議の不透明感は重石だが、楽観論が台頭している状況を考えるならば、米株も下落局面では押し目買いが入る展開が予想される。上値の焦点はオファーが観測されている111.00のトライである。111.00下には10MAが下降している。一方、下値の焦点は109.703/25安値)で変更なし。109.60にはビッドが観測されている。ユーロドルも売り買いが交錯する展開を想定。短期リスクリバーサル(1週間)の反転基調維持を考えるならば、昨日同様21MA1.1217前後)および短期レジスタンスライン(1.1230前後)の突破が焦点となろう。1.1220から1.1250にかけてはオファーが観測されている。一方、下値の焦点は短期サポートラン(1.1150前後)の維持が焦点となろう。1.1150から1.1100にかけては断続的にビッドの観測あり。

【ドル円】

USDJPY ドル円


【ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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