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トレンド決定要因としての利回り格差

昨日のドル円は112.16レベルで上値が抑制されました。日米利回り格差が縮小したタイミングで反落した事実を考えるならば、利回り格差がトレンド決定要因となっていることがうかがえます。それはユーロドルにも言えます。詳細は今日のマーケットレポートをご参照ください。

Analysis Highlights

・トレンド決定要因としての利回り格差

17日の米株は反落して終えた。医療保険制度の改革に対する懸念が高まり、ヘルスケアセクターが相場の下げを主導した。しかし主要3指数の下落幅は限定的。各ボラティリティ指数も低水準での推移を維持した。一方、米長期金利(米金利)は、先月20日以来となる2.6%台の水準へ乗せる局面が見られた。興味深いのは外為市場の動向である。米金利の上昇は米ドル相場のサポート要因である。しかし、昨日のユーロドルは陽線引けとなり緩やかな反発基調を維持した。一方、ドル円は市場の気迷いを示す陽のコマが示現した。これらの主因は利回り格差の動向にあると考えられる。年初からの米独利回り格差の動向を確認すると、3月中旬を境に利回り格差が一気に縮小しユーロドルは上昇した。4月をまたぎ格差は再び拡大したが、2月の水準と比較するとそのレベルは抑制傾向にある。この状況がユーロドルのサポート要因になっていると考えられる。利回り格差の動向は、ドル円の上値水準の決定要因にもなっている。リスク選好相場を背景に、昨日は112.16レベルまで上昇する局面が見られた。しかし、重要レジスタンスポイントの112.20レベルで上値が抑制された。この主因も利回り格差の縮小にあった。米金利それ自体は米ドル相場の重要なトレンド決定要因である。しかし、他国の金利動向とそれに伴う利回り格差の動向がより重要であることを直近のユーロドルとドル円の動向は示唆している。特にユーロドルは、株式に左右されやすいドル円以上に利回り格差の影響が大きい。直近の米独金利はともに上昇基調にあるが、一時マイナス金利となっていた独連邦債に対する高値警戒感、およびドイツ経済との関係が深い中国の指標データが4月以降総じて市場予想を上回っている状況を考えるならば、「独連邦債のロング解消の加速→独金利の上昇→米独利回り格差の縮小」を背景に、目先のユーロドルは緩やかな反発基調を維持する可能性が高まってきた。この点は、4月以降のリスクリバーサル(1ヶ月)が上昇基調へ転じていることからもうかがえる。

【ユーロドルと利回り格差】

EURUSD ユーロドル 米独利回り格差 イールドスプレッド

・ドル円は反落を警戒 ユーロドルはプロジェクション50.00%の突破が焦点

グッドフライデーを控え米株には調整圧力が高まり易い。また、米債券市場が短縮取引であること、さらにオファーが観測されている112.20での上値の重さを考えるならば、今日のドル円は反落を警戒したい。だが、各ボラティリティ指数を確認する限り、リスク回避圧力が急速に高まるムードはない。よって、リトレースメント23.60%の水準111.80レベルもしくは同38.20%の水準111.60レベルでサポートされる展開を予想する。111.80から111.50にかけては断続的にビッドが観測されている。
ユーロドルは、米独利回り格差の動向次第でトレンドが左右されよう。テクニカル面での焦点はプロジェクション50.00%の水準1.1318で変わらず。次の上値ターゲットは1.1330を想定する。一方、下値の焦点は1.1181(4/2安値)を起点とした短期サポートライン(1.1270前後)となろう。1.1325および1.1335にはオファーが観測されている。1.1280から1.1250にかけてはビッドの観測あり。

【ドル円と利回り格差】

USDJPY ドル円 日米利回り格差


【ユーロドルチャート】

ユーロドル EURUSD

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