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米国市場は共存関係の再構築なるか

Market Overview

市場はイエレンFRBによる3月の利上げをすでに織り込む展開となっている。米国市場の動向を確認すると、株式市場は高値圏を維持し、米金利は3月利上げ観測を背景に株式とのパフォーマンスかい離を急速に縮小させている(チャート①参照)。このかい離がより縮小し、昨年の大統領選挙後に発生した「共存関係(=株高 / 金利上昇の同時発生)」を米国市場が再構築できるかどうか、この点が今後の焦点となろう。

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Analyst's view

先月中旬以降、FEDスピーカー達は3月FOMCでの利上げに向けた地ならし発言を連発。3月利上げをメインシナリオとして織り込まざるを得なくなったFF金利先物市場では利上げ確率が急上昇し、最大で約90%まで織り込む局面が見られた。今年に入り不安定な状況へ転じていた米金利には当然のごとく上昇圧力が強まり、米ドル相場との相関性が高まっている10年債利回りは3日に先月15日以来の水準(2.521%)まで上昇する展開となっている。金融政策が主役の相場環境下では、金利の急反発は株式の下落要因だった。しかし、財政政策が主役に躍り出ている現在の相場環境下では、金利の上昇はむしろ株高要因(特に金融セクターの上昇要因)として作用している。
今後の焦点は、米国市場が株高と金利高という共存関係を再構築できるか、この点にあろう。その鍵を握るのは①トランプ政策の行方と②米指標データとなろう。前者に関しては今後の動向をみる必要がある。よって、目先の焦点は後者の方となろう。今週は10日に2月雇用統計が発表される。失業率が5.0%を恒常的に下回る状況を考えるならば「量」の面、つまり雇用者数の大幅な増加は見込めない。よって今後は、「質」の面である賃金動向に市場の焦点が集まろう。賃金の継続的な伸びが確認されるならば、それは米国経済のエンジン役である消費の拡大観測につながる。よって、市場は3月以降もイエレンFRBが段階的な利上げを実施する可能性が高いと判断し、米国市場は共存関係を再構築する可能性が高まろう。そのムードが強まれば、外為市場では欧州通貨や新興国通貨に対し再び米ドル高圧力が強まる展開が想定される。ドル円も目先の重要サポートポイント111.60レベルを維持する底堅い展開が想定される。ただ、米通商政策(=米ドル安政策)リスクが上値の圧迫要因となろう。先週、米国市場が共存関係へ回帰するムードが強まったにもかかわらず、2月15日の戻り高値115.00レベルすらトライできなかったことがその可能性を示唆している(チャート②参照)。今週のドル円の上値焦点は、日足一目雲の突破となろう。ねじれが発生する際、雲が薄くなる局面がある。このタイミングで雲を突破してくる可能性がある。その場合、レンジの上限115.00レベルをトライする展開が想定される。テクニカル面では111.60からの半値戻し115.10レベルの突破が焦点となろう(3月後半は日足雲の上限も115.10前後まで上昇する)。尚、115.00には厚いオファーの観測あり。逆に雲が薄くなるタイミングでも上値がレジストされるならば、111.60-115.00のレンジ相場継続を想定したい。


【チャート①:米株と米金利のパフォーマンス】

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【チャート:ドル円】

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