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米金利の変動要因として指標データも注視

Market Overview

13日の海外外為市場に明確な方向感は見られなかった。FOMCを見極めたいとの思惑から米債券市場では大きな変動は見られず。10年債利回りは、2.2%台でキャップされる状況が継続した。米金利の反発が限られたことで、ドル円は110円近辺で売り買いが交錯した。ユーロドルも1.12前後でのレンジ相場となった。一方、英ポンドは反発基調となった。与党保守党が、北アイルランドの保守系地域政党である民主統一党(DUP)との閣外協力で合意を得たとの報道が、ポンド相場をサポートした。ただ、不透明感は根強く、ポンドドルは1.27ミドル付近で上値がレジストされた。

米株式は軟調地合いだったハイテク株に買戻しが入り、主要3市場がそろって反発。金融規制の緩和期待もサポート要因となった。国際商品市況ではNY原油先物7月限が続伸し、1バレル=46.46ドルで終了。ただ、米国の週間在庫統計の発表を控え、上昇幅は限定的だった。NY金先物8月限は株高が嫌気され続落。ただ、下落幅は前日比-0.02%と小幅だった。

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Analyst's view

各市場は、FOMC待ちムードとなっている。FOMCと米ドル相場のシナリオについては、12&13日の各レポートで指摘した通り。焦点は利上げペースだが、すでに市場が想定している年3回のペースに変更がなければ、米金利の持続的な上昇圧力を強めるにはインパクト不足。よって、米ドル相場が売りで反応する展開を想定し、ドル円は下値トライを警戒したい。ただ、このケースは高値警戒感が強まっている米株にとってはサポート要因である。このためクロス円は「米ドル安+株高」を背景に底堅い展開が想定される。そして、クロス円の上昇が米ドル安圧力の相殺要因となることで、ドル円が4月安値108.13レベルを一気にトライする可能性は低下しよう。ドル円が下値トライとなった場合、まずはビッドが観測されている109.30-00ゾーンでの攻防を注視したい。
一方、4回の利上げ観測が台頭した場合は、米金利への上昇圧力が強まろう。外為市場では、米ドル高圧力が主要国通貨に対して強まろう。ドル円は、5月高値114.37レベルを起点とした短期レジスタンスラインを突破しよう。目先の上値の焦点は112円前後を想定。112.13レベルは5月下旬の戻り高値の水準であり、且つ今後1週間の間に日足一目雲が112.00を挟む局面がある。また、このケースでも米株の反応が注目される。利上げペースの加速が株高調整要因となる可能性があるからだ。下落幅や期間次第で米金利の上昇圧力を阻害する要因となり得る。この場合、ドル円の上昇は短期で収束しよう。

また、米金利上昇が一過性で終わる要因として注視すべきもうひとつの材料が、米指標データだ。本日は5月CPIと同月小売売上高が発表される。年4回の利上げ観測が台頭しても、上記の指標データでインフレの抑制や個人消費の低迷を裏付ける内容となれば、米金利の上昇が一過性で終わる可能性がある。米ドル高も一過性で終わろう。また、冴えない指標データは短期的には米株の調整材料と見なされる可能性もある。


【チャート:ドル円チャート】

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