Analyst's view
5日のNY原油先物8月限は、「追加減産に対してロシアが反対する可能性がある」との報道を受け、一時45ドル割れの局面が見られた(安値44.51ドル)。過剰供給懸念が完全に払しょくされない限り、原油先物相場の不安定な状況は継続しよう。
それは米金利の低下要因として影響しよう。事実、5日の米10年債利回りは原油安が意識され低下した。欧州金利の急反発を発端に反転のきっかけをつかんだ米金利だが、リトレースメント50.00%と重なる2.36%手前で失速感が出てきた(チャート①参照)。この水準での攻防の行方は、米指標データ次第となろう。
本日は6月ISM非製造業景況指数と新規失業保険申請件数が発表される。ともに市場予想以上ならば、米株の上昇も手伝い2.36%の水準を突破する可能性が高い。ただ、それに成功しても、5月上旬につけた2.42%の水準を突破できなければ、3月以降の金利低下基調が続くことになる。ちなみに、2.42%前後はリトレースメント61.80%の水準にあたり、且つ3月FOMC以降、金利が抑制され続けた経緯もある。2.36%以上に重要な攻防分岐と想定したい(チャート①参照)。
米金利の動向はドル円に大きな影響を与える。だが、4日&5日のレポートで指摘した通り、現在は円安が強まり易い環境である。「冴えない米指標データ→米金利低下→米ドル安」となっても、リスク選好ムードが後退しない限り、円安が米ドル安の相殺要因となろう。通貨オプション市場でもドルコール(1か月)の需要が次第に高まっている。これらの動向を考えるならば、目先のドル円は引き続き底堅い展開を想定したい。上値の焦点は5月の戻り高値114.37レベルで変更なし。直近のオーダー状況を確認すると、113.70、113.80、114.00および114.20にはそれぞれオファーが観測されている。一方、112.50下にはストップの観測あり。
ユーロドルも底堅い展開を想定。目先の上値攻防分岐は1.1445レベル。このレジスタンスポイントの突破に成功すれば、節目の1.15トライは時間の問題となろう。一方、下値の焦点はビッドが観測されている1.13000の維持となろう。