Market Analysis
短期レジスタンスラインで上値がレジストされたユーロドルで、再び調整ムードが強まっている。しかし、昨日はプロジェクション38.20%でサポートされ下落幅は限定的。テクニカル要因に加え、FEDによる利上げペースの加速が意識される中、来週にFOMCを控えていること、そして短期リスクリバーサルの上昇基調が一服している点も考えるならば、本日以降、米ドルの買戻しが散見されよう。だが、米通商政策リスクがくすぶる限り、米ドル高トレンドを形成する可能性は低い。目先は、プロジェクションの各水準での攻防を注視したい。だが、テクニカル面で最も注視すべきはリトレースメント38.20%が位置する1.2170レベルの攻防だろう。1月中旬以降、この水準で相場がサポートされる状況が続いている。この水準を維持する限り、ボックス圏(1.2170-1.2500)での攻防を想定したい。1.2170レベルを下方ブレイクする展開は、トライアングルの攻防へシフトするシグナルとなろう。そのトライアングル下限は、来週後半に1.2170とクロスする。尚、直近のオーダー状況だが、1.2290から1.2270にかけては断続的にビッドの観測あり。プロジェクション50.00%および61.80%付近にもビッドが観測されている。ユーロドルの動向はチャート①を参照。
一方、ドル円は、米長期金利の緩やかな上昇基調維持と根強い株買いという環境下では、引き続き売り買い交錯の展開を想定したい。だが、通貨オプション市場ではプットオーバーの状況となっており、短期リスクリバーサルも再び下方に拡大しつつある。さらにテクニカル面では、2月高値110.47を起点とした短期レジスタンスラインで上値がレジストされている。これらの状況を考えるならば、再び下方リスクを警戒すべきフェーズへ転じている。だが、米ドル安と株安が同時に発生しない限り、105円ブレイクの可能性は低い。一方、短期レジスタンスラインの突破に成功しても、通商政策リスクを背景とした米ドル安圧力により、直近安値からのリトレースメント38.20%で再びレジストされる展開を想定したい。ドル円の動向はチャート②を参照。
【チャート①:ユーロドル】