Analyst's view
16日に公表されたFOMC議事録では、経済が予想通りに拡大すれば資産の圧縮を比較的早期に実施するとした。一方、2017年に入り急速に鈍化しているインフレについて、多くのメンバーが2%の物価目標を下回る状況が予想以上に長引く可能性について言及していることが判明した。2017年以降、インフレの鈍化がトレンド化していることが2つの重要指標データ-PCEとCPI-で確認されたばかり。FEDもその点を重要視していることがあらためて確認されたことで、米利上げペースに対する不透明感が今後も各市場で意識されよう。だが、この点について各市場の捉え方が違う点は、昨日の米国市場が示唆している。インフレ鈍化は、米長期金利の低下要因であることは明白。トランプ政権の迷走とそれに伴うトランプ政策頓挫の可能性も考えるならば、年後半も米長期金利の低空飛行状態が継続する可能性が高いだろう。米金利がそのような状態を維持するならば、米ドル相場にも根強い売り圧力がかかり続けるだろう。一方、株式市場では、「インフレの鈍化→金融引き締めペースの鈍化」シナリオが株高要因として作用しよう。事実、昨日の米株は主要3市場はそろって上昇した。また、日米欧株価指数のボラティリティ低下も考えるならば、今後も株高トレンドは続く可能性が高い(チャート①参照)。
株高トレンドが維持される限り、ドル円をはじめとした円相場は調整による下落は散見されても、円高圧力が急速に強まる可能性は低い。ドル円は引き続き「米ドルvs円安」の状況が継続しよう。本日の上値攻防分岐は21日MAおよびオファーが観測されている111.00(108.73からの38.20%戻し)となろう。一方、サポートポイントは15日安値109.70およびビッドが観測されている109.40を想定したい(チャート②参照)。