Market Analysis
キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)は、今週7日から新政権の樹立に向けた予備協議を開始している。税や社会保障そして欧州全体で社会問題化している難民問題について溝が深く、大連立政権が樹立されるかどうか先行き不透明感は未だ拭えない状況にある。交渉が順調に進んだとしても、実際に連立政権が樹立される時期が3月以降になると予想されていることから、この問題は今年前半のユーロ高調整要因として常に警戒したい。だが、インフレデータを除けば、ユーロ圏経済は2013年後半以降の成長軌道を維持していることが各種指標データで示されている。また、9月以降、ドラギECBが緩和脱却に舵を切る可能性があることも考えるならば、ドイツの政治リスクはユーロの調整売り圧力を強めても下落トレンドを形成する可能性は現時点で低い。
オプション市場ではドイツ政治の空白長期化を意識してかリスクリバーサル(2M /3M)が拡大中(チャート①参照)。また、欧州株高に独長期金利が追随出来ない(=米独利回り格差の縮小が期待出来ない)状況となっている点も考えるならば、本日のユーロドルは下値トライの継続を警戒したい。下値の攻防分岐は、ビッドが観測されている1.1900となろう。1.1900上には日足基準線と21日MAがクロスしている(チャート②参照)。一方、上値の攻防分岐は1.2000となろう。
ドル円は上値トライを想定したい。米長期金利は2.50%手前で抑制状態が続いているものの、世界的な株高トレンドに変化は見られない。よって、反落しても下落幅は限定的だろう。上値の攻防分岐は、昨年11月高値114.73を起点とした短期レジスタンスラインの突破となろう。113.40から113.90にかけては断続的にオファーが観測されている。一方、下値の焦点は112.75レベルの維持となろう。このレベル付近には、昨日相場をサポートした10日MA、日足雲の上限そして転換線が展開している。また、112.80から112.70にかけてはビッドが観測されている(チャート③参照)。