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欧州通貨売りにサポートされる米ドル

Market Summary
10日の海外外為市場は、英ポンド売り優勢の展開となった。メイ英首相はこの日、11日に予定されていた欧州連合(EU)からの離脱案を巡る議会採決を見送った。これを受け外為市場では英ポンド売り圧力が高まり、対米ドルで1.2505まで急落する局面が見られた。ユーロも対米ドルで反落し、安値1.1348までユーロ売り/米ドル高が進行した。一方、ドル円は、米ドル高と米株の反発を受け上昇。高値113.36を付ける局面が見られた。
米株は主要3指数が反発した。ダウ平均が一時500ドル超下落するなど、週明けも下落でスタートした。だが、ハイテク株に買戻しが入ると終盤にかけて下げ幅が急速に縮小。ダウ平均は前週末比34.31ポイント高の24,423.26、S&P500指数は同比4.64ポイント高の2,637.72、ナスダック総合指数は同比51.27高の7,020.52で終えた。国際商品市況では、NY原油先物1月限が前週末比1.61ドル安の1バレル=51.00ドルと反落。米中貿易摩擦の長期化に対する懸念と英議会の採決見送りが相場の重石となった。一方、NY金先物2 月限は外為市場での米ドル高を受け、前週末比3.2ドル安の1トロイオンス1249.4で引けた。

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Market Analysis
メイ英首相は、11日に議会下院で予定されていた欧州連合(EU)からの離脱案を巡る採決を見送った。注視すべきはBREXITリスクにユーロが売りで反応したことだろう。米長期金利が2.80%台まで急低下する局面でもユーロドルは1.14前半で上値が抑制され続けている。この事実はユーロ買い需要の弱さを示唆している。そして現在は、その需要を高める要因も見当たらない。本日は12月 独ZEW景況感調査が発表されるが、期待指数はマイナス25ポイントと前回のマイナス24.1ポイントを下回る予想となっている。また、13日のECBイベントでは利上げの開始時期が最大の焦点となるだろう。だが、ユーロ圏経済は2017年Q4をピークに減速傾向にある。そして現在は米中貿易摩擦の長期化懸念、英国のEU離脱問題という外患に加え、イタリアの財政リスクとフランスの政治停滞リスクという内憂に直面しており、2019年後半の利上げについて積極的なスタンスを表明するタイミングではない。昨日の下落、冴えない指標データ予測、そしてユーロ圏経済を取り巻く環境を考え、本日のユーロドルは短期サポートラインのトライを警戒したい。このラインの下方ブレイクは、1.1300トライのシグナルと想定している。一方、上述した独指標データが予想外に強い場合は、1.14台をつっかける可能性がある。だが、昨日上値をレジストしたリトレースメント38.20%の水準までの反発が限界と想定している。1.1320から1.1300にはビッドが観測されている。1.1450にはオファーの観測あり。

一方、ドル円だが、112円台を維持しての長い下ヒゲの示現そしてレンジの下限レベルでは買戻し圧力が高まる米株のパターンが意識され底堅い展開となろう。だが、米長期金利の動向を考えるならば、短期レジスタンスライン付近での反落リスクを警戒したい。113.50から113.90にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、反落しても112.50以下では押し目買いにサポートされよう。112.20から112.00にかけては断続的にビッドの観測あり。

【チャート①:ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

【チャート②:ドル円】

ドル円 USDJPY

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