Market Analysis
メイ英首相は、11日に議会下院で予定されていた欧州連合(EU)からの離脱案を巡る採決を見送った。注視すべきはBREXITリスクにユーロが売りで反応したことだろう。米長期金利が2.80%台まで急低下する局面でもユーロドルは1.14前半で上値が抑制され続けている。この事実はユーロ買い需要の弱さを示唆している。そして現在は、その需要を高める要因も見当たらない。本日は12月 独ZEW景況感調査が発表されるが、期待指数はマイナス25ポイントと前回のマイナス24.1ポイントを下回る予想となっている。また、13日のECBイベントでは利上げの開始時期が最大の焦点となるだろう。だが、ユーロ圏経済は2017年Q4をピークに減速傾向にある。そして現在は米中貿易摩擦の長期化懸念、英国のEU離脱問題という外患に加え、イタリアの財政リスクとフランスの政治停滞リスクという内憂に直面しており、2019年後半の利上げについて積極的なスタンスを表明するタイミングではない。昨日の下落、冴えない指標データ予測、そしてユーロ圏経済を取り巻く環境を考え、本日のユーロドルは短期サポートラインのトライを警戒したい。このラインの下方ブレイクは、1.1300トライのシグナルと想定している。一方、上述した独指標データが予想外に強い場合は、1.14台をつっかける可能性がある。だが、昨日上値をレジストしたリトレースメント38.20%の水準までの反発が限界と想定している。1.1320から1.1300にはビッドが観測されている。1.1450にはオファーの観測あり。
一方、ドル円だが、112円台を維持しての長い下ヒゲの示現そしてレンジの下限レベルでは買戻し圧力が高まる米株のパターンが意識され底堅い展開となろう。だが、米長期金利の動向を考えるならば、短期レジスタンスライン付近での反落リスクを警戒したい。113.50から113.90にかけては断続的にオファーが並んでいる。一方、反落しても112.50以下では押し目買いにサポートされよう。112.20から112.00にかけては断続的にビッドの観測あり。
【チャート①:ユーロドル】