Analyst's view
ECBによる最新の経済見通しを確認すると、2017年が2.4%、2018年が2.3%、2019年が1.9%と、9月予測時の2.2%、1.8%、1.7%から強気の上方修正となった。一方、インフレ率については、今年が1.5%、来年が1.4%、再来年が1.5%、そして2020年が1.7%とし、徐々にインフレ圧力が強まる見通しを示してきた。直後のユーロドルの反応は、直近安値1.1716からの61.80%戻しの水準(1.1867)付近まで上昇する局面が見られた。だが、このテクニカルの突破に失敗した事実は、インフレ動向の不透明感とドイツの政治リスクに対する市場の警戒心が根強いことを示唆している。目先のユーロドルは、11月安値1.1552を起点とした短期サポートラインの維持が焦点となろう。目先はユーロ売り圧力は続く可能性がある。だが、12月FOMCの結果を受けた米10年債利回りが2.4%以下の水準で低空飛行状態となっている点を考えるならば、短期的にはユーロ安と米ドル安がぶつかり合う展開を想定したい。本日のトレンド決定要因は、米指標データとなろう。総じて市場予想を下回るならば、米国株式の調整継続と米金利の低空飛行を背景にユーロドルは短期サポートラインの維持に成功し、再び1.18台の攻防へシフトする展開が想定したい。逆に米指標データが良好ならば、上記のラインをトライする展開を想定したい。
一方、ドル円は、米10年債利回りの低空飛行状態に加え、日米株式で調整地合いとなっていることも考えるならば、ダウンサイドリスクを警戒したい。テクニカル面では、現時点での今年最安値107.31を起点としたサポートラインが下値の攻防分岐となろう。一方、上値の攻防分岐は、10日MAと日足転換線が展開している112.85レベルを想定したい。どちらのテクニカルをトライするかは、ユーロドル同様、米指標データの内容次第だろう。