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米株のボラティリティを注視

Market Summary
17日の海外外為市場は米ドル高トレンドを維持した。この日の米長期金利は一時3.122%まで上昇。米独利回り格差の拡大を背景にユーロドルは4日続落となり、1.1773まで下落した。ドル円も日米利回り格差の拡大に伴い、NYタイムに110.85まで上昇する局面が見られた。クロス円はドル円の上昇にけん引され底堅い展開となった。
米株は主要3指数がそろって下落。金利の上昇スピードに対する警戒感と米中貿易交渉の不透明感が相場の圧迫要因となった。だが、資源株の上昇が相殺要因となったことで下落幅は限られた。NY原油先物6月限は1バレル=71.49と横ばいで引けた。早朝の時間外取引では1バレル=72.30ドルと今年の最高値を付ける局面が見られたものの、利益確定売りに押された。一方、NY金先物6 月限は米ドル高が嫌気され、前日比2.1ドル安の1トロイオンス=1289.4と反落した。 

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Market Analysis
14日以降、米長期金利は上昇一辺倒の展開となっている。これを受け米独利回り格差と日米利回り格差はともに拡大。金利の上昇に連動し、ドルインデックスは2017年後半に示現したヘッドアンドショルダーの「ショルダー」にあたる94.20レベル(リトレースメント38.20%)を視野に入れるムードが高まっている。早すぎる金利の上昇スピードと週末というタイミングを考えるならば、本日の米債市場では調整の債券買い(=金利低下)となる可能性がある。それに伴い米ドル高の調整圧力が強まりユーロドルは反発、ドル円は反落する展開が想定される。だが、これら通貨ペアが利回り格差と従来の相関関係を取り戻している現状を考えるならば、調整相場となっても米ドル高トレンドは維持しよう。
このトレンドが崩れるならば、その主因となり得るのが株式市場であることはこのレポートで指摘してきた。だが、米長期金利が3.1%台へ到達して尚、米株のボラティリティは低水準での推移が継続中。リスク回避相場が発生すると思われる25ポイントはおろか、市場の警戒レベルが高まる20ポイントの水準すら未だ突破していない状況を考えるならば、目先リスク回避圧力が急速に高まる可能性は低い。この状況は米株が耐えられない金利の水準に到達していないことを示唆している。米中貿易交渉等の国際政治情勢や新興国からの資本流出懸念といった、米金利以外のリスク要因が突如米国株式市場で意識される可能性もある以上、ボラティリティの動向を注視する状況が続こう。
本日のユーロドルは調整相場となる可能性がある。だが、独長期金利が0.7%台の水準すら到達できない状況では、1.18ミドルレベルまでの反発が限界と想定したい。下値トライが継続する場合、目先は16日安値1.1761、ビッドが観測されている1.1750の攻防に注目したい。1.17ミドルをブレイクする展開となれば、次のターゲットは2017年後半の安値1.1715レベルとなろう。1.17前半にも断続的にビッドが並んでいる。一方、ドル円は110円ミドル前後までの反落を想定したい。上値トライを維持する場合、テクニカル面で注視すべきはリトレースメント76.40%の水準111.30前後となろう。111.00と111.20にはそれぞれオファーが観測されている。


【チャート①:ドルインデックス、米株ボラティリティ】

dollar index VIX VXN ドルインデックス

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURSUD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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