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今週の焦点:米指標データと国際政治情勢

Outlook
今週は2つの材料に注視したい。ひとつは米指標データである。5月雇用統計をはじめ市場予想を上回る内容が続けば、市場関係者は米利上げスピードの加速を意識する可能性がある。このケースでは、米長期金利の反発と米ドル高の継続を想定したい。逆に総じて市場予想を下回る内容が続けば、米長期金利の低下(=米債の買戻し)圧力が強まろう。それに伴い米ドル相場には売り圧力が高まろう。注視すべき通貨ペアはユーロドルとなろう。下値の攻防分岐は昨年11月7日安値1.1552を想定。一方、上値のそれは短期レジスタンスラインの攻防となろう。米指標データ以外で注視すべきは国際政治情勢、特に米朝首脳会談の行方と米中貿易関連の報道となろう。ドル円は108.00ー111.00のレンジを想定。111円台へ再上昇する場合は、111.30-40ゾーンの攻防を注視したい。一方、108円台へ反落する場合は、108.60を重要サポートポイントとして意識したい。

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Market Analysis
原油価格と米長期金利は調整相場へシフトしている。しかし、米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスは重要レジスタンスポイント94.20の突破に成功している。この主因は対欧州通貨で米ドル高にある。特に対ユーロでの上昇が米ドル相場のサポート要因となっている状況を考えるならば、今週もユーロドルの動向を注視する1週間となろう。米指標データをトレンド決定要因と想定し、冴えない指標データがユーロ売り圧力の主因となっているタイミングで、米指標データが総じて市場予想を上回るならば、米欧ファンダメンタルズのコントラストが意識されよう。これは、そのまま米欧金融政策のコントラストがより鮮明になることを意味する。良好な指標データが米株のサポート要因および米長期金利の反発要因になり得ることを考えるならば、ユーロドルは下値トライの展開を想定したい。その際、最も注視すべき重要ポイントは1.25台上昇の起点となった昨年11月7日安値1.1552となろう。逆に冴えない米指標データが続けば、ユーロドルは短期の調整相場を想定したい。目先は短期レジスタンスラインの突破が焦点となろう。このラインの突破に成功する場合、次のターゲットは21日MAを想定したい。

ドル円については米長期金利以外に株式動向、特に米株の動向も考える必要がある。米株のボラティリティは未だ低水準で安定的に推移しており、投資家のリスク選好度合いの強さを示唆している。実際、米株は高値圏でボックスを形成し底堅さを維持している。米指標データ以外で米株のトレンド決定要因となり得るのが、国際政治情勢ー米朝首脳会談の行方と米中貿易関連の報道ーとなろう。前者は再び会談の調整で動き始めており米株のサポート要因となる可能性がある。一方、後者は流動的であり日々の新たな報道を確認していく必要があろう。良好な米指標データと国際政治情勢のリスクが後退する場合、ドル円は株高とそれに伴う米長期金利の反発を背景に、111円台の再トライを想定したい。111円台で最も注視すべき水準は111.30-40ゾーンとなろう。この水準から111.50にかけて断続的にオファーが観測されている。一方、冴えない米指標データと国際政治情勢のリスクが同時に意識される状況では、108円台への下落を警戒したい。ビッドが観測されている108.60レベルが重要サポートポイントとなろう。尚、株高維持でもドル円の上値が抑制されるならば、その要因は「原油価格の下落→米長期金利の低下」の加速にあると想定される。目先の原油価格は、サウジアラビアとロシアの動きを注視する状況が続こう。


【チャート①:ドルインデックス】

DXY ドルインデックス

【チャート②:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

【チャート③:ドル円】

USDJPY ドル円

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