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FOMC以外の焦点 ― 英ポンド

Market Summary
昨日の海外外為市場は、欧州通貨買い優勢の展開となった。英国とEUはこの日、離脱後の経済混乱を避けるための移行期間導入で合意。これが好感されユーロと英ポンドは対ドルで上昇した。トランプ米大統領がロシアゲートの捜査を指揮しているモラー特別検察官を非難し、米ドル安圧力が強まったことも欧州通貨をサポートした。ユーロドルは1.2359まで上昇。だが、FOMCを控えていることもあり日足基準線で上値がレジストされた。一方、ドル円は売り買い交錯の展開となった。105円台では根強い買いが入るものの、米ドル安と株安を背景に106円前半でレジストされる状況に変化は見られなかった。

米株は主要3指数が下落した。会員情報の不正利用が発覚したフェイスブックをはじめ、この日はハイテクセクターが軒並み下落。ナスダック総合株価指数は前週末比137.744ポイント低い7344.244と、約2週間ぶりの低水準まで下落した。ダウ平均とS&P500指数も前週末比1%を超える下落となった。NY原油先物4月限は、株安と米国のシェールオイル増産観測を背景に、前週末比0.28ドル安の1バレル=62.06と反落。一方、NY金先物4月限は対ユーロでの米ドル安と株安を背景に、前週末比5.5ドル高の1トロイオンス=1317.8と4営業日ぶりに反発した。

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Market Analysis
今週、FOMC以外で注目すべきイベントが、英国の指標データと銀行金融政策委員会(MPC)である。上述のとおり英国とEUは昨日、離脱に伴う経済混乱を避けるための移行期間の導入で合意した。ひとまず2020年末までは英国はEUの単一市場との関税同盟を維持する見通しとなったことで、英ポンドは上昇基調を維持している。テクニカル面でみると、ポンドドルは10日&21日の両MAにサポートされ、トライアングルの上限を大陽線で突破。且つゴールデンクロスも示現している。英ポンドのさらなる上昇シグナルが点灯しているタイミングで、本日の英国指標データ、特に2月CPIが市場予想を上回るならば5月利上げ期待が高まろう。22日のMPCは、5月利上げの可能性を探るイベントとして市場で注目されよう。
目先、レジスタンスポイントとして注視すべきは、2月16日に上値をレジストした1.4150レベル。上の水準にはストップが観測されている。突破に成功する場合は、1.43台を視野に上昇幅の拡大を想定したい。一方、本日の指標データが総じて市場予想を下回り、またタカ派のFOMCで米ドル高圧力が強まるケースでは、上述したMAおよび2つの短期サポートラインの維持が焦点となろう。相場へのインパクトが大きいのは米ドル高の方だが、トランプリスクがくすぶり続ける限り、米ドル高圧力が高まってもポンドドルの下落は一過性で終わる可能性が現時点で高い。ポンドドルのテクニカルポイントはチャート②を参照されたし。ポンドドルが崩れない限り、ポンド円での堅調推移も継続しよう。2018年の円相場のパフォーマンスで最も良好なのがポンド円である(チャート②参照)。

【チャート①:ポンドドル】

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【チャート②】

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