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今週の焦点と展望

Summary

今週のドル円相場は、円安圧力が米ドル安圧力を相殺する展開が想定される。円安圧力の強さは株式市場次第で変化しよう。株高維持の鍵は米四半期決算にあろう。一方、米ドル安の加速は米金利の動向にあろう。今週、リスク要因として注視すべきは北東アジアの地政学リスクとなろう。このリスクが再燃する場合、株高トレンドが一時的にせよ崩れる可能性が高い。この場合、ドル円は日足一目雲の上限を下方ブレイクし、110円台への攻防シフトが想定される。

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Analyst's view

8月のコアPCE(前年同月比)同様、9月のコアCPI(同)も米国内における低インフレのトレンド化を示唆する内容となった。米ドル相場との相関性が高い10年債利回りは一時2.273%と、9月27日以来の水準まで低下。ドルインデックスは約1か月ぶりに週足の陰線が示現した。上記2つのインフレ指標が低空飛行を続ける限り、低インフレ懸念を背景に米10年債利回りは2.4%前後でキャップされる(=債券を買い戻す)展開が今後も続く可能性が高い(チャート①参照)。イエレンFRB議長も警戒する根強い低インフレ状態を背景に米金利が低下基調を辿る可能性が出ている以上、今週は米ドル安優勢を想定したい。ドル円は上値の重い展開が想定されるが、株高維持ならば米ドル安圧力が相殺されることで111円台を維持する可能性がある。テクニカル面では89日MAおよび直近高値113.44からの38.20%戻しの攻防が焦点となろう(チャート②参照)。


今週注視すべきリスク要因は、北東アジアの地政学リスクの再燃となろう。16日から予定されている米韓両海軍の合同演習に北朝鮮が反発している。また、中国では18日から5年に1度の共産党大会が開催される。今年の北朝鮮による軍事行動は、中国の重要政治日程に合わせて行われる傾向にある。上記2つの重要イベントが重なる今週、北朝鮮が米国サイドを刺激する行動に出れば、株式市場は一時的にせよリスク回避で反応しよう。米金利が低下基調へ転じているタイミングで株式下落となれば、ドル円は日足一目雲の上限を下方ブレイクする展開が想定される。

一方、ユーロドルは、ここにきてECBによる金融緩和政策の脱却観測が後退中。独10年債利回りは13日、0.40%の水準まで急低下した。米金利の低下に追随する独金利の状況を考えるならば、ユーロドルが上値トライの展開となる可能性は低い。だが、上述した北東アジアの地政学リスクが高まれば、米ドル売りを背景に消極的なユーロ買い圧力が強まる可能性がある。この場合、テクニカル面では日足基準線の突破が焦点となろう。このラインの突破に成功する場合、1.2092を起点としたレジスタンスラインが次の上値焦点として浮上しよう。一方、下値の焦点は1.1650の維持となろう。テクニカル面では89日MAがサポートラインとして意識されるかどうかが注目される(チャート③参照)。


【チャート①:米10年債利回りチャート】

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【チャート②:ドル円チャート】

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【チャート③:ユーロドルチャート】

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