Analyst's view
23日の米10年債利回りは2.397%でキャップされた。今年5月以降、2.4%前後の水準でキャップされる状況となっていることはこのレポートで指摘済みだが、昨日もこの水準での債券買い需要の強さをあらためて確認する相場となった。米10年債利回りが持続的な上昇トレンドを形成しない限り、日米金利差との連動性が高いドル円の114.50突破は難しいだろう(チャート参照)。
しかし、米10年債利回りが2.4前後でキャップされ続けても、今週のドル円は底堅さを維持する可能性が高い。欧米株式のインプライドボラティリティは引き続き低水準での推移が継続しており、株高トレンドが崩れる兆しは見られない。唯一の株安材料は北東アジアの地政学リスクだが、それが再燃するムードも現状高まっていない。株高トレンドが続く限り、ドル円は投機筋の調整による反落は散見されても、リスク回避を背景とした急落相場に陥る可能性は低いだろう。ドル円のサポート要因はもうひとつある。それはユーロ売り圧力が強まっていることだ。ドラギECBのテーパリングについて市場が未だ読み切れずユーロ安圧力が強まる中、スペインの政治リスクが外為市場で意識されている。金融政策と政治の両面でユーロドルが下落しやすい局面に陥っている点は、ドル円のサポート要因となろう。
本日のドル円は113円を中心とした攻防を想定したい。重要指標データの発表やFEDスピーカーの講演等は予定されていないが、FRB人事を巡る報道があれば米金利の動向に連動しよう。昨日高値114.10のトライが上値の焦点、一方113円台の維持が下値の焦点となろう。ユーロドルは、引き続きダウンサイドへ振れる展開を警戒したい。テクニカル面では89日MAが攻防分岐となる可能性あり。詳細はテクニカルレポートにて。