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英CPIとポンド相場の反応

Overview

11日の海外外為市場は特段の材料が無い中、FOMCを控え米ドル売りが散見された。ドル円は113.23まで下落する局面が見られた。その後は、米長期金利の反発地合いが継続したこともあり、113円ミドルまで値を戻す展開となった。一方、ユーロドルも調整地合いとなり、1.18台を回復する局面が見られた(高値:1.1812)。だが、ドイツの政治リスクに対する警戒感は根強く、ロンドン勢が引けた後は「ユーロ売り / 米ドル買い」の展開に。NYタイム終盤に1.1760台まで反落する局面が見られた。

米株は、主要3指数がそろって上昇した。通信株や原油先物相場の続伸を受けた資源株が上昇のけん引役となり、ダウ平均は前週末比56ドル87セント高の24,386.03と連日で最高値を更新した。S&P500指数も同様に最高値を更新した。NY原油先物1月限は、フォーティーズ・パイプライン(=北海油田で原油を輸送しているパイプライン)の停止が過剰供給懸念の後退要因となり、前週末比0.63ドル高の1バレル=57.99と3日続伸。NY金先物2 月限はFOMCでの利上げが意識され、前週末比1.5ドル安の1トロイオンス=1246.9と3日続落した。

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Analyst's view

11日海外時間の米ドル相場は、FOMCを前に売り買いが交錯する展開となった。本日も同様の展開が想定されるが、ポンド相場は、上下に振れる可能性がある。前回の金融政策会合でカーニーBoEは、2007年以来の利上げに踏み切った。しかし、インフレと賃金動向についての見解の違いからカンリフ副総裁とラムスデン副総裁が据え置きを主張し、一枚岩での利上げ決定とはならなかった。今後、BoEによる利上げペースは上記2つの要因に左右される可能性が高いが、本日は前者の点を見極める上で重要なCPI(11月)が発表される。前年同月比3.0%、コア指数は同2.7%と、いずれもBoEが目標とする2.0%を上回る市場予想となっている。市場予想以上ならば、ポンド買い優勢の展開となろう。注視すべきは市場予想を下回った時の展開である。BREXIT交渉については、すでに離脱交渉から通商交渉へ市場の関心がシフトしている。だが、自由貿易協定(FTA)についての協議は長期化する可能性が高いとの報道もあり、離脱交渉以上に政治的議論が難航する可能性がある。さらに英国内ではメイ首相の求心力低下が意識され易い状況となっている。国内外の英政治リスクが意識されやすいタイミングでCPIが市場予想以下となれば、ポンド相場には売り圧力が強まろう。

テクニカル面でも対ドルで短期レジスタンスラインが形成されRSIは売り買い分水嶺の50.00を視野に低下しており、ポンド高地合いに変化が生じている。本日の攻防分岐は21日MAとなろう。上述したCPIが市場予想以下の場合、このMAを下方ブレイクし、3月14日安値1.2106を起点としたサポートラインをトライする展開を想定したい(チャート参照)。一方、上値の焦点は、昨日相場をレジストした10日MAとなろう。ドル円とユーロドルのチャート分析は、別途テクニカルレポートを参照されたし。


【チャート:ポンドドル】

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