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ロシアゲート疑惑と米株の動向

Overview

4日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯した。米上院で税制改革法案が通過したこと、ダウ平均が史上最高値を更新したことを受け、ドル円は113.08まで上昇した。しかし、NYタイム後半に米株が上げ幅を縮小するに伴い、米長期金利も2.4%割れの展開に。米金利の低下が意識され、ロンドン勢が引けた後は一転して112.35まで米ドル安の展開となった。一方、ユーロドルは1.1828まで下落後、米独利回り格差の縮小に伴い1.1865付近まで反発した。

米株は、税制改革に対する期待を背景にダウ平均が24,290.05と史上最高値を更新。しかし、ハイテク株の調整売りに圧され、前週末比58ドル46セント高と上昇幅は限られた。ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比72.22ポイント安の6,775.37で終了している。NY原油先物1月限は調整売り主体の動きとなり、前週末比0.89ドル安の1バレル=57.47と3日ぶりに反落。NY金先物2 月限は、外為市場で米ドル買い局面が散見されたことで、前週末比4.6ドル安の1トロイオンス=1277.7と反落した。

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Analyst's view

ロシアゲート疑惑を巡る報道がかまびすしい。この問題は米ドル安要因として認識しておくべきであることは、4日のレポート「焦点は3つの米国イベント」で指摘済み。筆者が注視しているのは、米株の反応である。米長期金利が2.4%を挟んだ攻防となっている点を考えるならば、ドル円のサポート要因は株高の維持にある。特に重要なのが米株の高値圏維持だが、ボラティリティを確認すると、VIXはにわかに上昇基調へ転じつつある。また、ナスダック100のそれも同じく上昇基調となっている(チャート①)。リスク回避相場を警戒する水準ではないが、米株高のけん引役であるハイテク株で調整圧力が強まる中、ロシアゲート疑惑の捜査がトランプ政権の深部にまで波及すれば「米株高の調整加速→米債券市場への資金シフト→米金利の低下→米ドル安」の展開を警戒したい。この場合、ドル円は米金利低下圧力の影響を相殺する要因が一時的になくなることから、再び下値トライの展開が想定される。

本日のドル円は、112円を中心とした売り買い交錯相場を想定したい。株高維持ならば、米金利の低下圧力も後退することで113円台の再トライを想定したい。113.10にはオファーが観測されている。下値の焦点は112円台の維持となろう。ロシアゲート疑惑を背景に米株の調整が強まる場合は、10日MAのトライを想定したい。一方、ユーロドルはサポートラインを維持したことからもわかるとおり、地合いはユーロ高基調を想定したい。上値の攻防分岐は76.40%戻しの1.1965で変わらず。1.1950-60にはオファーの観測あり。下値の焦点は短期サポートラインの維持となろう。このラインを下方ブレイクする場合は、昨日相場をサポートした日足雲の上限を次のサポートポイントとして意識したい。


【チャート①:米株のボラティリティ】

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【チャート②:ドル円】

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【チャート③:ユーロドル】

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