Analyst's view
FOMCの内容が判明するまで、各市場は小動きに終始しよう。インフレ鈍化に対するFEDサイドの警戒レベルが焦点であることは、19日のレポート「9月FOMCの注目点」で指摘済み。ハト派のFOMCとなる場合、注視すべきは米債券市場の動向だろう。リスク回避圧力が後退したことで、米債券市場は先週以降、行き過ぎた金利低下の調整(=米債ロングの一時的な解消)局面にある。だが、現在の状況は金融引き締めペースの加速(期待)がベースとなっているわけではない。このためハト派のFOMCとなれば、トレンドが転換する可能性がある。FOMC後、米金利への低下圧力が再び強まるならば、米ドル相場のショートカバーも終息しよう。対照的に、欧州通貨や資源国通貨の買い圧力が強まるだろう。ドル円のトレンドを見極める上で特に注視すべきは、ユーロドルの動向だろう。昨日、ロイターは「欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーらは、10月の理事会で量的緩和策の終了時期を設定するかを巡って合意できていない」と報道。しかし、ユーロドルは節目の1.20を一時突破するあたり、米ドル相場の地合いの弱さがうかがえる。FOMC後、ユーロドルが1.20台の攻防へシフトする展開となれば、その米ドル安圧力はドル円にも波及しよう。
再び米ドル安圧力が強まる場合、ドル円のサポートポイントは株式動向に左右されよう。欧米株式のインプライドボラティリティ(25D / 1か月)を確認すると、S&P500と欧州50のそれらは今年最低水準まで低下している(チャート参照)。海外株式が堅調さを維持する限り、国内株式もリスク選好優勢の展開が想定される。株高維持ならば、米ドル安圧力を円安圧力が相殺しよう。この状況が続く限り、110円台を一気に下方ブレイクする可能性は低い。一方、クロス円だが、株高維持に加え、金融引き締め政策への期待と米ドル安を背景とした国際商品市況の上昇期待も考えるならば、ユーロ円、ポンド円、カナダ円そして豪ドル円が堅調に推移する可能性があろう。