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ドル円のトレンドはECBイベント次第

Market Summary

24日の海外外為市場でドル円は、ムニューシン米財務長官による米ドル安容認発言を受け、昨年9月11日以来となる108円台まで下落する局面が見られた。安値108.96まで下落後は米ドルを買い戻す動きとなるも、109.20台で上値がレジストされた。一方、ユーロドルは1.2415レベルまで急伸する局面が見られた。また、ポンドドルは、米ドル安とソフトBrexitを意識した根強いポンド買いを背景に1.4241と、Brexit後の高値水準を引き続き更新する展開となった。

米国株式は強弱まちまちの展開に。ダウ平均は前日比41.31ドル高の26,252.12と反発し、過去最高値を更新。一方、S&P500とナスダック総合は利益確定売りに押され小幅に反落した。NY原油先物3月限は米原油在庫の減少を好感し、1バレル=65ドル台を回復。一時65.92ドルと、2014年12月5日以来約3年1カ月ぶりの高値を付ける局面があった。一方、NY金先物2月限は外為市場での米ドル安を背景に、前日比19.6ドル高の1トロイオンス=1356.3と続伸。一時、2017年9月8日以来となる1361.60まで上昇する局面が見られた。

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Market Analysis

ドル円は株高トレンドにも米長期金利の上昇にも追随出来ず、一時108円台へ急落。だが、リスク選好相場は崩れておらず、米長期金利も2.6%台の水準を堅持している。特に日米10年債利回り格差との急速な乖離は、むしろ水面下で収れん圧力を高める要因となろう。(チャート①参照)。本日以降、米ドルの買戻し(=ショートカバー)を想定したい。

そのきっかけとして本日注視すべき材料は、ECBイベントだろう。金融政策の指針を示すフォワードガイダンスの変更は3月の理事会で行う可能性が高い。よって、今回の焦点はドラギ会見となろう。経済状況、特にインフレ見通しについての発言が市場で重要視されるだろうが、現在の為替市場を考えるならば、ユーロ相場に関する言及の有無も重要なポイントとなろう。欧州サイドからはユーロ高をけん制する発言が相次いでいる。これは、ドラギECB内で急速に進行中のユーロ高が域内経済のリスク要因として認識され始めていることを示唆している。よって、ドラギ総裁が現在のユーロ相場に言及するならば、直近のユーロ高をけん制する可能性が高い。米ドル安の急速な進行に伴い投機筋のユーロ買い越しが約14万枚まで積み上がっている状況も考えるならば、ドラギ総裁がユーロ相場に言及する場合は、ユーロ高調整の材料として警戒しておきたい。また、ECBによる早期の量的緩和解除の観測を打ち消す発言も同様の材料となり得るだろう。ECBイベント後にユーロドルが下落すれば、ドル円のサポート要因となろう。逆に、ドイツの政治リスクが後退しつつある状況下でECBイベントが材料視されなければ、ユーロドルは2008年7月高値1.6038を起点とした長期レジスタンスラインを視野に上昇トレンドを維持しよう。ドル円は76.40%戻しの水準をローソク足の実体ベースで完全に下方ブレイクし、ビッドが観測されている108.50 / 108.00レベルを視野に下落幅が拡大する展開を警戒したい。


【チャート①:日米利回り格差とドル円】

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【チャート②:ユーロドル】

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【チャート③:ドル円】

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