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ドル円は上値トライ ユーロドルは短期的な調整を想定

Market Summary
21日の海外外為市場はユーロ買い優勢の展開となった。ユーロドルは、昨年後半と同じく重要サポートポイント1.1715で反転すると、NYタイム後半に1.1795まで反発する局面が見られた。一方、ユーロクロスも総じて上昇。ユーロ円は高値130.99レベル、ユーロポンドは大陽線が示現し0.8782まで上昇する局面が見られた。
米株は主要3指数がそろって上昇した。米中貿易懸念の後退が意識され、ダウ平均は3月上旬以来となる2万5000ドル台へ上昇。前週末比298.20ポイント高の25, 013.29で引けた。ナスダック総合株価指数は同39.697ポイント高の7394.036と、3営業日ぶりに反発した。NY原油先物6月限は前週末比0.96ドル高の1バレル=72.24と上昇。米中貿易懸念の後退によるリスク選好相場とベネズエラ情勢の不透明感が相場の押し上げ要因となった。NY金先物6 月限はリスク選好相場が意識され反落。ただ、対ユーロでの米ドル売りが相場のサポート要因となり、前週末比0.4ドル安の1トロイオンス=1290.9と下落幅は限定的だった。

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Market Analysis
米長期金利の上昇圧力が後退しつつある。だが、直近の動向は利回りの上昇スピードと今週の国債入札(2年債/ 5年債/ 7年債)を意識した単なる調整と捉えたい。根強い原油高も考えるならば、引き続き上昇基調を維持する公算が高い(チャート①)。一方、米株のボラティリティを確認すると低水準で安定した状況が続いている(チャート①)。これらファンダメンタルズの状況に変化が見られない以上、ドル円は調整を挟みながら上値トライを想定したい。テクニカル面で注視すべきは、このレポートで指摘してきた111.30レベルの攻防となろう。昨日は111.39まで上昇し、一時的にリトレースメント76.40%とプロジェクション50.00%を突破した(チャート②)。だが、ローソク足の実体ベースでの突破には失敗し、上ヒゲが示現。この主因は米長期金利の低下に伴う日米利回り格差の縮小にある。だが、昨日の米長期金利の低下が調整の範囲内であることを考えるならば、焦点は上値トライの継続にあろう。111.50レベルにはオファーが観測されている。また、1月18日に111.48で上値がレジストされた経緯もある。しかし、この時は下落局面だったが、現在は上昇局面にあり相場の勢いが違う。2つのフィボナッチを完全に突破する展開となればファンダメンタルズ面だけでなく、テクニカル面でもさらなる上値トライのシグナルが点灯したと市場が捉え、112円台を視野に上昇幅の拡大を想定したい。「株高+ドル円のさらなる上昇」となれば、クロス円も堅調に推移しよう。
一方、ユーロドルは重要サポートポイント1.1715で反転し下ヒゲが示現。リスクリバーサル(1週間)も下落圧力の後退を示唆しており、短期的な調整(=買い戻し)ムードが出てきた。しかし、米欧金融政策のコントラストとイタリアの政情不安を考えるならば上昇幅は限られよう。目先の焦点はオファーが観測されている1.1800の突破だが、これを達成しても10日MA(直近1.1840付近)で上値がレジストされる可能性がある。一方、下値の焦点は1.1715およびビッドが観測されている1.1700の攻防となろう。


【チャート①:原油価格と米国市場の動向】

WTI 米10年債利回り VIV

【チャート②:ドル円】

USDJPY ドル円

【チャート③:ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

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