Market Analysis
先週より米長期金利の上昇が米株高の下落要因として再浮上している。また、中国をはじめとした新興国市場では不透明感が漂い始めている。これらが重石となり週明けの主要株価指数は総じて下落した。外為市場では株安局面での円買い、といういつものパターンが発生。今週は「株高調整局面→円買い」の展開が散見されることを意識したい。だが、その局面が散見されてもトレンド化する可能性は現時点では低い。確かに週明けの米株は上値の重い展開となった。しかし、取引終盤に買戻しが入りリスク選好相場の根強さを示した。テクニカル面ではS&P500指数が短期サポートラインの維持に成功している。また、ボラティリティ(VIX)を確認すると、警戒水準の20.00ポイント以下で推移する状況が続いている。長期金利の上昇が株安要因として意識された今年2月上旬のリスク回避局面では、ボラティリティが急上昇した。しかし、今回そのようなヒステリックな状況は見られない。今回の金利上昇は9月から続いた株高の調整要因として意識されているだけであり前回とは様相が異なる、ということを直近のボラティリティ動向は示唆している。現在の米国市場は、株高トレンドが耐えうる金利の適正水準を見極めているフェーズにある。この適正水準が見出せるまで米株売りが散見されるだろう。だが、良好な指標データに裏打ちされたファンダメンタルズに変調が見られない限り、米株は押し目買いにサポートされよう。
今週のドル円は、プロジェクション50.00%とクロスしている21日MA(112.85前後)を攻防分岐と想定。「原油高→米金利上昇」を背景に株高の調整相場が続くケースでは、21MAのブレイクを警戒したい。実際にブレイクする場合、3月安値104.55を起点としたサポートラインを次の下値ターゲットと想定したい。一方、上値は10日MA(113.58前後)の突破が焦点となろう。これを達成する場合、114.00再トライを意識する展開となろう。一方、ユーロドルは1.1450を攻防分岐と想定。1.1550での上値の重さを考えるならば、1.1600トライよりも1.1450ブレイクの方を警戒したい。
【チャート①:S&P500 / VIX指数(ボラティリティ)】