株式の反発と先行き不透明感
日米欧の協調緩和に対する期待を背景に昨日のグローバル株式市場は急反発しました。しかし、米株のボラティリティ動向を確認すると、今週は上下に振れる展開を警戒する必要があります。ドル円とユーロドルのトレンドは?チャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご参照ください。
先行き不透明感が残る中での株式反発
2日の主要な株価指数は急反発した。米国株式市場では主要3指数が前週末比で4%超の上昇となった。急反発のきっかけとなったのが、日米欧の金融当局者による協調的な金融緩和に対する期待である。一時40ポイント台まで急拡大していた米株の各ボラティリティ指数は昨日、VIXが33.42、VXNが35.10までそれぞれ急低下した。
一方、S&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、30%台まで上昇している。昨日の急反発が影響したことによる30%台への到達だったが、実勢相場のボラティリティ自体が上昇し続けているということは、それだけ先行き不透明感が高まっていることを示唆している。2018年後半のリスク回避局面でも、現在と同じようにボラティリティが30%まで急拡大した。その後、株高へ転じた経緯を考えるならば、今回も同様の展開となる可能性はある。だが、上述した2つのボラティリティ(VIX / VXN)も未だ高い水準にあることを考えるならば、今週の米株は上下に大きく振れる展開を想定しておきたい。円相場は引き続き株式動向にトレンドが左右される展開を予想する。
米株のボラティリティ指数
S&P500の動向
ドル円とユーロドルのリスクリバーサルに変化なし
株式の反発ムードが出始めていることを考えるならば、ドル円の下落圧力は後退しよう。株式続伸となれば、本日は108円台で底堅い展開を予想する。だが、リスクリバーサル(1週間/1ヶ月)は引き続き下落基調を辿っている。通貨オプション市場ではドル円の下落リスクを警戒する向きが未だ根強いことを示唆している。上述した米株のボラティリティ動向も考えるならば、不意の急落局面を常に意識しておきたい。本日のチャートポイントだが、昨日の高値108.57を上方ブレイクする場合、109円台のトライを意識したい。109.00にはオファーの観測あり。一方、株式市場が再び下落する局面では108円割れを予想する。107.00にはビッドの観測あり。
ドル円とは対照的にユーロドルのリスクリバーサルは上昇基調を維持している。通貨オプション市場ではユーロの買戻しがまだ続くと予想する向きが根強いことを示唆している。目先の焦点は1.1200の攻防である。この水準にはオファーが観測されている。1.12台へ上昇する場合は、昨年12月31日高値1.1240レベルの攻防が次の焦点となろう。
ドル円とユーロドルのリスクリバーサル
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