HISが反落、ユニゾHDへのTOB再実施に含み
・サッポロのTOB期間中の再実施ない
・サッポロTOBへの応募は株価注視し決定
28日の東京株式市場で旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>が反落した。ソフトバンクグループ<9984>傘下ファンドによる不動産会社ユニゾホールディングス(HD)<3258>へのTOB(株式公開買い付け)が成立しない場合、「新たに買付価格を設定してTOBを実施したり、買い増したりすることを検討する可能性がある」と表明。TOB再実施に含み持たせたことで、投資家が財務負担の増加を懸念した。
終値は前日比53円(2.01%)安の2586円。一時、2.77%安の2566円まで売られた。
HISは前場の終了後にリリースを発表し、ユニゾHD株に対する同社の今後の方針を示した。
それによると、ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループのサッポロ合同会社が実施するTOB期間の10月1日までは、新たにTOBを始めたり、株式を買い増したりする予定はない。
しかし、同TOBが不成立になった場合、かつユニゾHDの株価がHISが設定した買付価格の3100円、またはHISがその時点のユニゾHDの企業価値を勘案した上で適当と考える水準で推移する場合、HISは3100円をベースに新たに買付価格を設定してTOBを実施したり、買い増したりすることを検討する可能性があるという。
また、HISがサッポロのTOBに応募するかは、ユニゾHDの株価の推移を注視しつつ決定するとした。HISはユニゾHD株を4.79%保有する。
TOB成立見通せず
ユニゾHDは16日、サッポロが1株4000円で行うTOBへの賛同を表明している。サッポロのTOBは19日に始まった。
一方、HISが7月11日に開始した敵対的TOBは23日、不成立に終わった。HISは24日、株主から応募がなかったと発表した。
28日のユニゾHD株の終値は20円(0.47%)安の4220円。サッポロのTOB価格を上回っており、TOB成立はまだ見通せない。
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