米金利の上昇に対する米株の反応を注視するフェーズへ
米金利は1.9%台で高止まり。これを受け米ドル相場も堅調地合いを維持しています。本日は10月CPIが発表されます。市場予想以上ならば、FEDの利下げ観測が後退し米金利は2.0%の水準をトライする展開が予想されます。このような展開となれば、気になるのは米株の反応です。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・米金利の上昇に対する米株の反応を注視するフェーズへ
米長期金利(以下米金利)は、1.9%台での推移が続いている。金利の高止まりを受け、12日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。8月以降、恒常的に2.0%の水準を下回り続けている米金利だが、今後発表される重要指標データが総じて市場予想を上回る場合、FEDの利下げ観測が後退することで2.0%の水準を突破してこよう。米金利との相関性が再び高まっている米ドル相場は、主要国通貨に対して上昇しよう。米金利の上昇局面で注視すべきは米株の動向である(12日のレポート「米金利2.0%の攻防と米株急落リスク」を参照)。最新のS&P500指数のボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、「低すぎる水準」の6%を割り込み、5.7%台まで低下している。一方、オプション価格から算出されるVIX指数は12ポイント台の低水準で安定的に推移している。しかし、ここで注視すべきは12ポイントという水準がやはり「低すぎる水準」ということである。米株の変動幅が拡大し始めた2018年以降のトレンドパターンを確認すると、12%前後の水準までVIX指数が低下すると、その後上昇していることがわかる。どの程度上昇するか(=投資家の不安心理が高まるか)はその時々の材料次第だが、米金利の上昇に対してヒステリックに反応した昨年10月と12月の動向を考えるならば、「米金利上昇→米株下落」というシナリオを警戒するフェーズに差し掛かっている。このシナリオが現実となる場合、外為市場では米ドル以上に日本円とスイスフランに対する買い圧力が高まろう。一方、新興国通貨は売り圧力に直面しよう。特に政情不安に直面しているチリペソ、景気の減速と連続利下げの影響に直面しているインドルピーやブラジルレアルに対して売り圧力が高まることが予想される。
【S&P500のボラティリティ】
・ドル円のチャートポイント
今日のドル円は下値トライを警戒したい。8日のローソク足(日足)は陰の十字線引けとなった。週明け11日も陰線引け。そして昨日は上陰陰線が示現した。これらローソク足の形状と連日の陰線引けは、徐々に下落圧力が高まっていることを示唆している。だが、米株が崩れない限り下落幅は限定的と予想する。目先の焦点はビッドが観測されている108.80となろう。この水準を下方ブレイクする場合、108.46レベルで推移している短期サポートラインの維持が次の焦点として浮上しよう。このライン前後(108.40-50ゾーン)にもビッドの観測あり。一方、上値の焦点は、オファーが観測されている109.30レベルの攻防に注目したい。昨日はこのレベルで上値がレジストされた。だが、真の焦点は109.50の攻防である。この水準にもオファーが観測されている。
【ドル円】
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