コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

「利下げ期待」の命運を左右する重要週か?

米国ウィークリー 2019/7/9号

Source: Bloomberg
  • 米国株式市場は、先週までは「米中合意への期待」と「FRBへの利下げ期待」の両翼飛行による浮力で順調に押し上げられてきた。6/29の米中合意に関しては、ファーウェイ向けの部品・製品輸出を認めることで合意した点を最初は好感したが、7/2にナバロ大統領補佐官より「安全保障に影響しないローテク製品」に限られる旨の発表があり、トーンダウン気味となった。
  • その一方で、利下げ期待に関しては、6月ISM製造業景況感指数(7/1発表)が3か月連続低下の51.7、および6月ISM非製造業景況感指数(7/3発表)が2か月連続低下の55.1と振るわなかった。それに加えて、7/2にトランプ大統領がFRB理事に選挙陣営元幹部ら2人を指名すると発表し、欧州でもECB総裁の後任に金融緩和に前向きなラガルドIMF専務理事が決まったことを受けて利下げ期待が強まり、7/3にNYダウが史上最高値を更新して26.966ドルを付けた。ただし、7/4の独立記念日の休日を前にした薄商いの中、力強さに欠ける中でポジション調整の買戻しが中心の高値更新だったように見える。
  • 「利下げ期待」による株式相場の片翼飛行が持続的なものかどうかは7/5発表の雇用統計にかかっていると思われたが、非農業雇用者数が市場予想を超える前月比22.4万人増となり、景気の堅調さを示した。平均時給が前年同月比3.1%増と落ち着いていたが、7月末予定のFOMCで利下げの必要性に疑問符が付く内容だった。7/5のCME「フェド・ウオッチ」では利下げ確率は依然として98%に達するが、0.5%利下げ確率が7/3の3割からゼロになった。7/10-11にはパウエルFRB議長の半年に一度の議会証言があり、併せてその前後には多数の連銀総裁による講演が行われる予定であり、「利下げ期待」による株式相場の浮力を検証する重要な週と位置付けられよう。4-6月期決算発表が本格化するまでは浮力に欠ける展開が予想され、中東のイラク問題や欧州のドイツ銀行問題など米国外の事態による乱気流に巻き込まれやすい面に要注意だろう。
  • 銘柄選択においてはトランプ大統領の2020大統領選挙再選への動きを無視できない。米中合意により中国による農産物の購入を約束させ、農業州の支持を繋いだ。また、7/2の米商務省によるベトナム鉄鋼製品への制裁関税発表も中国からの迂回輸出を止めて「ラストベルト」の支持を得ることが目的と見ることもできよう。トランプ流「マーケティング戦略」によって恩恵を受ける業種、悪影響を受ける業種と分かれやすくなる可能性に注視しておきたい。(笹木)


S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(7/5現在)

■主な企業決算 の予定

●7月9日(火):ペプシコ、リンゼー、ヘレン・オブ・トロイ、WD-40

●7月10日(水):MSCインダストリアル・ダイレクト、アンジオダイナミクス、ベッド・バス・アンド・ビヨンド、AAR

●7月11日(木):ファスナルデルタ航空

●7月15日(月):シティグループ、サービスファースト・バンクシェアーズ、ウィントラスト・ファイナンシャル、JBハント・トランスポート・サービシズ

■主要イベントの予定

●7月9日(火)

・セントルイス連銀総裁イベントで開会の挨拶

・アトランタ連銀総裁、クオールズFRB副議長(銀行監督担当)講演

・EU財務相理事会(ブリュッセル)

・求人件数(5月)

・中国経済全体のファイナンス規模、新規融資、マネーサプライ(6月、9-15日の間に発表)

●7月10日(水)

FRBパウエル議長下院金融委員会での議会証言

・セントルイス連銀総裁講演

FOMC議事要旨(618-19日開催分)

・卸売在庫(5月)

中国CPIPPI6月)

●7月11日(木)

FRBパウエル議長上院銀行委員会での証言

・クオールズFRB副議長(銀行監督担当)、ニューヨーク連銀総裁、アトランタ連銀総裁、リッチモンド連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁講演

・ECB議事要旨(6月5-6日分)、独CPI(6月)、OPEC月報

CPI6月)、新規失業保険申請件数(6日終了週)、財政収支(6月)

●7月12日(金)

・国際エネルギー機関(IEA)月報

・ユーロ圏鉱工業生産(5月)

PPI6月)

中国貿易収支(6月)

7月15日(月)

・ニューヨーク連銀製造業景気指数(7月)

(Bloombergをもとにフィリップ証券作成)



【レポートにおける免責・注意事項】
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL: http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項> 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。