今週の注目ポイント / NZドル・米ドル、米ドル・トルコリラそしてドル円の焦点について
サマリー:「今週も色々な売買材料がある。特に各国のインフレ指標とFEDスピーカーの言動に注目したい。中銀イベントでは、21日のトルコ中銀の動向が焦点に。連続利下げならば、トルコリラは対米ドルで最安値を更新する可能も。今週のドル円の焦点は?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の注目ポイント
・各国のインフレ指標に注目
今週は、各国の指標データとFEDスピーカーの講演が多く予定されている。
前者の指標データでは、ニュージーランド、英国、ユーロ圏、カナダそして日本の消費者物価指数(インフレ指標)に注目したい。
本日6時45分に発表されたNZの7-9月期消費者物価は前期比で2.2%(前回:1.3% / 予想1.4%)、前年同月比で4.9%(前回:3.3% / 予想4.1%)と、インフレがさらに加速していることが確認された。
本日早朝のNZドルは対米ドルで、一時0.71台へ上昇し、テクニカル面では短期レジスタンスラインの攻防となっている。
世界的にインフレが進行する中、日本だけがその潮流から外れていることがあらためて確認される場合、金融政策の方向性の違い(各国は利上げを志向、日本は金融緩和維持という違い)が意識されよう。この点は、円安の要因として意識しておきたい。
NZドル/米ドルのチャート
・トルコ中銀 連続利下げに踏み切るか
中銀イベントでは、21日(木)のトルコ中銀の動向に注目したい。
先月23日の会合では、予想外に1%の利下げを決定した。また、今月14日にエルドアン大統領は金融政策委員3人を解任した。うち2人は9月の利下げに反対したとの報道がある。
トルコ中銀のカブジェオール総裁は、国内外の情勢を踏まえて今週の会合で金融政策を決定すると述べている。
しかし、政治圧力により連続利下げに踏み切るようだと、9月以降下落トレンドを形成しているトルコリラは対米ドルで最安値を更新する可能性が高いだろう。8.80レベルがレジスタンスラインからサポートへ転換している状況も、トルコリラの地合いの弱さを示唆している。
一方、トルコ中銀が利下げを見送る場合は、短期的にリラが買戻される展開が予想される。
だが、エルドアン大統領による政策介入のリスクがくすぶり続ける限り、トルコリラの不安定な状況が続くことが予想される。いずれにせよトルコリラについては、中銀イベント後のボラティリティの拡大を警戒しておきたい。
米ドル/トルコリラのチャート
ドル円の焦点は114.50レベルの攻防
先月22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、外為市場では円安が加速している。
特に豪ドル、ロシアルーブルそしてカナダドルといった資源国通貨で円安が鮮明となっている。
今週も原油をはじめとしたエネルギー価格が上昇トレンドを維持する場合、円相場は資源国通貨を中心に円売り優勢の展開が予想される。
円相場のパフォーマンスチャート
今週のドル円(USDJPY)は、114.50レベルの突破が焦点となろう。先週は高値114.46レベルで上昇が止められた。
上で述べたとおり、現在は対資源国通貨で円安の圧力が高まっている。また、米債市場ではインフレを意識して利回りが再び上昇する可能性がある。これらの状況を考えるならば、ドル円が114.50を突破する可能性が高い。
これ(114.50の突破)に成功する場合、次の焦点は115円台への上昇である。
一気に115円台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・プロジェクションの中でも重要な水準161.8%の115.59レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。
一方、114.50を突破した後にドル円が反落する場合は、このレベル(114.50)がレジスタンスラインからサポートへ転換するかどうか?この点を確認したい。
114.50をあっさりと下抜ける場合は、先週レジスタンスのポイントとして意識された113.80前後がサポートポイントへ転換するかどうか?この点が焦点となろう。今日現在、5日EMAがこの水準で推移している。
ドル円のチャート
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