6月米CPIの影響とドル円の焦点
6月の米CPIは前年同月比で9.1%へ上昇。約40年半ぶりのインフレ高進を受け、今月のFOMCで1%利上げの可能性が浮上。ドル円は東京時間に138円を付ける局面あり。今後注目すべきこととは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
6月米CPIの影響とドル円の焦点
【サマリー】
・6月の米CPIは前年同月比で9.1%へ上昇 約40年ぶりの高水準
・逆イールド(10年債利回りと2年債利回りの金利差)は2000年以来の水準まで拡大
・今月のFOMCで100bp(1.0%)利上げの可能性が浮上
・ドル円 目先の焦点は米2年債利回りとの関係
・インフレの加速と米国債利回りの反応
米労働省が13日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)の上昇率は、前年同月比で9.1%に達した。これは1981年11月以来の高い伸びとなる。
6月CPIでインフレの高進が確認される場合、焦点は米債市場の反応にあるとこのレポートで指摘した。
CPIの内容を受け、長期債利回り(10年債利回り)のファーストリアクションは上昇だった。
しかし、その後すぐに低下し3%の水準をあっさりと割り込む展開となった(上昇→低下で反応 / 下チャート左側を参照)。
一方、2年債利回りは「上昇→低下→上昇」の展開となった(下チャート右側を参照)。
これら反応の違いは、インフレを抑制するために米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利上げを実行せざるを得ないこと(2年債利回りの上昇要因)、一方でそれら(インフレと利上げ)のリスクが景気後退の可能性をさらに高めること(10年債利回りの低下要因)を米債市場の参加者が意識していることを示唆している。
6月米CPI後の米金利の推移
・6月米CPIが与えた影響
6月米CPIの結果を受け、短期金融市場では今月26~27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で100bp(1.0%)利上げの可能性を織り込む動きが強まっている。
そして長短金利差の動向を確認すると、10年債利回りと2年債利回りではすでに逆イールドの状況が発生しているが、昨日はその水準が2000年以来の水準まで拡大した(チャート赤ライン)。
一方、10年債利回りと3ヶ月物利回り(Tビル)では逆イールドは発生していない(チャート黒ライン)。しかし、それに向けたトレンドが形成されている。これらの動きは、米国の景気後退の可能性が高まっていることを示唆している。
米国債利回り 長短金利差のチャート
ドル円 目先の焦点は?
・米2年債利回りとの関係
ドル円(USDJPY)は137円台で底堅さを維持している。6月米CPI発表後に高値137.87レベルまで上昇する局面が見られた。この上値トライは、米10年債利回りのファーストリアクションが上昇となった影響が大きい。実際、米10年債利回りがすぐに低下すると、ドル円も反落した(下チャートの左側を参照)。
しかし、 米10年債利回りの低下を受けてもドル円が137円台で底堅さを維持している状況は、日米の金融政策スタンスの差を背景とした「米ドル買い/円売り」のトレンドが、もうしばらく続く可能性があることを示唆している。
その可能性を高める要因として今後注目すべきは、ドル円と米2年債利回りの関係である。
今月のFOMCでは、100bp(1.0%)の歴史的な大幅利上げの可能性が浮上している。このため、米金融政策の方向性を反映して動く特性のある2年債利回りには上昇圧力がかかり続けるだろう。
一方、急速な利上げは景気後退の懸念を高める要因である。これは米10年債利回りの低下要因となる。その10年債利回りが低下してもドル円の上昇局面が散見される場合は、ドル円と米2年債利回りとの相関性が高まっていることが予想される。
事実、昨日の動きを確認すると、米2年債利回りの動きに連動しドル円も上昇していることがわかる(下チャートの右側を参照)。
米金利とドル円の推移
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