強気を維持する投資家の心理とボラティリティの高止まり / 108.20レベルがレジスタンスとして意識されるドル円 6月の米雇用統計に注目
今日のサマリー。昨日は新興国通貨買いの米株高。投資家の心理は強気を維持。気になるのは米株のボラティリティの高止まり。予期せぬ深い株高の調整には要注意。ドル円のチャートは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
強気を維持する投資家の心理とボラティリティの高止まり
昨日の外為市場は、米ドル売り優勢の展開となった。
対照的に、リスクの高い新興国通貨には買い圧力が高まった。
米国の株式市場ではダウ平均がマイナス引けとなったが、S&P500指数は3日続伸。
また、ナスダック総合指数は最高値を更新した。
これらの状況を考えるならば、投資家の心理は強気に見える。
だが、その心理には微妙な変化が見られる。
この点について、多くの機関投資家がベンチマークとしているS&P500指数のボラティリティ(20日間標準偏差を年率換算した値)を確認すると、30%付近で高止まりしている。
2017年にトランプ米政権が発足して以降、米中対立やFEDの利上げスタンスが投資家の心理を冷え込ませる要因となった。
しかし、これらリスク要因が意識される局面でも、概ね6%から30%のレンジ内で米株のボラティリティは推移し続けてきた。
いわばこのレンジは、ボラティリティの安定ゾーンと言える。
しかし現在、この安定ゾーンの上限をわずかではあるが、突破する状況となっている。
大規模な財政政策と金融政策が導入されていることを考えるならば、「コロナショック第2波」が発生しても、3月のような局面(90%台まで急騰する局面)が発生する可能性は限りなく低い。
だが、今後もボラティリティが上昇し続ける場合、単発的にせよ予期せぬ米株安(株高の深い調整)が発生するだろう。
米国株式の動向
108.20レベルがレジスタンスとして意識されるドル円 6月の米雇用統計に注目
投資家の心理は強気を維持しているが、それを土台とした円安が加速するならば、ドル円ではなく豪ドル円といったクロス円が中心となろう。
FEDの超金融緩和政策により、株高の局面では米ドル安の圧力が高まる状況が続いているからだ。
そのドル円だが、やはり108.00レベルが今後もレンジの上限として意識される可能性があることが、昨日の反落で確認できた。
具体的な水準としては、108.20レベルが重要なポイントとして浮上している。
本日、この水準にはドル売りのオーダーが観測されている。
6月の米雇用統計が株高要因となれば、108.20をトライする展開を予想する。
一方、米雇用統計が株安要因となれば、107.00のトライを予想する。
だが、この状況では「米ドル買いvs円買い」の戦いとなろう。
よって、106円台へ下落しても米ドル買いがサポート要因となることで、下落幅は限定的と予想する。
6月26日に相場をサポートした106.80レベルを維持できるかどうか?まずはこの点に注目したい。
107.00および106.80にはそれぞれビッドの観測あり。
ドル円のチャート
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