リスク選好下のオセアニア通貨に注目
徐々に「コロナ第2波」の話題が出てきました。しかし米株は堅調地合いを維持。よって、外為市場でもリスク選好相場を意識する展開が続くと予想します。その理由は?そして注目の通貨ペアは?マーケットレポートをご覧ください。
コロナ第2波は懸念材料だが
11日の米国株式市場は、「コロナ第2波」に対する警戒感が高まり、強弱まちまちの展開となった。この問題が株式市場で意識されると、外為市場でリスク回避の米ドル高圧力が高まる状況は変わらず。昨日は対主要国通貨で米ドル高優勢の展開となった。
だが、米国株式のベンチマークであるS&P500は2,900ポイント台を維持。ボラティリティは29%台まで低下している。また、7日のレポート「リスク回避の再来を警戒」で指摘した米ドルの調達コストの高まりも、現在は落ち着いた推移となっている。「コロナ第2波」は最大の懸念材料として意識しておくべきである。だが、米株や米ドルの調達コストの動向を考えるならば、現時点で3月のようなリスク回避ムードが高まる状況にはない。
米ドルの調達コスト
オセアニア通貨の堅調地合いを予想
4月からの株高局面が続くと想定する場合、外為市場ではオセアニア通貨の上昇幅が拡大すると予想する。豪ドル/米ドル(AUD/USD)は11日のレポート「リスク選好と米ドル安」で指摘したとおり、0.66の突破が引き続き焦点となろう。短期のリスクリバーサル(1週間)は上昇トレンドを維持。1ヶ月物も同じ状況にある。通貨オプション市場の参加者は、短期的な豪ドル相場の堅調地合いを予測している。株式市場に遅れはしたが、4月下旬以降、国際商品市況の方向性を示すCRB指数にようやく反転ムードが出てきたことも豪ドル相場のサポート要因となろう。オファーが観測されている0.6570レベルを完全に突破する場合、0.66トライのシグナルと想定したい。0.66台へ到達する場合、0.6685(3/9高値)の突破が次の焦点として浮上しよう。
また、NZドルも対米ドルで堅調地合いを維持すると予想する。豪ドルと同じく、短期のリスクリバーサル(1週間)は上昇基調を維持。一方、インプライドボラティリティ(1週間)は19%台まで跳ね上がっている。目先は短期レジスタンスラインの突破が焦点となろう。このラインは今日現在、0.6165前後で推移している。このラインの突破に成功する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準0.6263レベルのトライが次の焦点となろう。一方、下値は4月27日以降相場をサポートしている0.60前後の維持が焦点となろう。
CRB指数
NZドル/米ドル(NZD/USD)の動向
NZドル/米ドル(NZD/USD)のチャート
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