焦点は米指標データと金利の動向 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「今日は9月米ISM非製造業景況指数と米金利の反応が焦点となろう。今日のドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
焦点は米指標データと金利の動向
・上昇基調が続く米金利
OPEC加盟国およびロシアなどの非加盟国は4日に開催された閣僚級会合で大幅増産を見送り、11月も日量40万バレル縮小する方針を示した。これによりNY原油先物価格は一時78ドル台へ上昇し、2014年11月以来となる高値水準を付けた。
原油高を受け、この日の米長期金利は1.508%まで上昇する局面が見られた。2年債と5年債の利回りも上昇した。
・ISM非製造業景気指数
現在の米金利は、FRBの政策転換とインフレ懸念により上昇圧力がかかりやすい状況にある。
利回りの上昇要因としてもうひとつ注視すべきは、良好な米指標データである。今日は9月ISM非製造業景況指数が発表される。総合の結果も重要だが、より注目したいのが雇用指数である。製造業のそれは49.0から50.2へと改善した。米国GDPの約7割を占めるサービス業の雇用でも同様に改善が見られれば、8日(金)の9月雇用統計に対する期待が高まろう。
良好な指標データの結果は米金利の上昇要因だけでなく、米ドル相場の上昇要因でもある。
ISM製造業/非製造業の雇用指数
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円(USDJPY)
ドル円(USDJPY)のトレンドは、米金利の動きに左右される状況が続いている。米金利が上昇基調にあることを考えるならば、ドル円が下落してもその幅は限定的と予想する。
ドル円が下値トライとなる場合は、昨日のレポートで指摘したとおり、10日EMA(110.86レベル)の攻防に注目したい。昨日はこのEMAでサポートされた。米金利の低下もしくは連日米株安となる場合は、10日線のブレイクおよび21日EMA(110.53レベル)のトライを想定しておきたい。
一方、ドル円が上昇する場合は、昨日高値111.30レベルおよび今月1日の高値111.48レベルを突破できるかどうか?この点が焦点となろう。
米金利の上昇はドル円のサポート要因である。しかし、同時にドル円の上昇圧力を相殺する要因ともなり得る。昨日のように米金利の上昇は、ハイテクグロース株の下落要因となるからだ。
金利の先高観やインフレのリスクに加え、今は中国の景気減速リスクや米国の債務上限問題など米株の下落要因がくすぶっている。利回りの上昇と株高が同時に発生する局面が続かない限り、112円を再トライしても112円台を維持する可能性は低いと想定しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドル(EURUSD)
ユーロドル(EURUSD)は、5日EMA(1.1620レベル)で戻りが抑制されている。
5日線を突破しても、9月下旬以降レジスタンスのラインとして意識されている10日EMA(1.1649レベル)で反落する可能性を考えるならば、ユーロドルは下値トライを意識する局面が続いている。
ユーロドルが下落する場合、目先のサポートポイントは、先月30日と今月1日に相場をサポートした1.1560レベルである。この水準の下方ブレイクは、フィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準1.1508レベルをトライするシグナルの一つと捉えたい。
一方、短期間のうちに下落した反動でユーロドルが反発基調を維持する場合は、上で述べた5日線および10日線の攻防が焦点となろう。
5日線だけでなく昨日の高値1.1640レベルをも突破する場合は、10日線トライの可能性を意識したい。しかし、9月下旬以降の動向を考えるならば、10日線前後の水準では常に反落リスクを警戒しておきたい。
ユーロドルのチャート
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