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米ドル相場と金利の関係

10月末の離脱を巡り英国政治の駆け引きは激化しています。22日の英ポンドは陰線引けとなりましたが、このまま下落トレンドへ戻るかどうかは、米ドル相場の動向次第と考えています。具体的な焦点は?英ポンドとユーロのチャートポイントは?マーケットレポートをご参照ください。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

・米ドル相場と金利の関係

ブレグジットリスクがくすぶり続ける中、英ポンド/米ドルは節目の1.30で見事に上値がレジストされた。10月末の離脱に向けて駆け引きが激化している英国政治の動向は、英ポンドにとってネガティブ要因である。英ポンドの下落にユーロが追随した状況を考えるならば、ユーロドルの反発基調も一度終息する可能性がある。しかし、欧州通貨が再び下落トレンドを形成するかどうかは、米ドルと金利の関係にあろう。10月以降、米長期金利(以下米金利)は反発基調にある。だが、本レポート執筆時点で米ドル相場は、日本円やトルコリラを除き総じて売り優勢の展開となっている。従来の関係(米金利上昇→米ドル高の関係)を崩すほど、米中通商協議の進展期待とブレグジットリスクの一時的な後退のインパクトが大きかったと捉えることができる一方、今夏以降に高まった米ドル高トレンドが転換点を迎えている可能性もある。後者の点を確認するために、今後注視すべきポイントは二つある。ひとつは、米金利の反発基調が続く中での米ドル相場の動向である。売り優勢もしくは売り買いが交錯する状況が続くならば、米ドル安へ転換する可能性を意識したい。そして注視すべきもう一つのポイントは米金利の動向-具体的には再び低下基調へ転じるかどうか、この点を確認する必要がある。直近の米10年債先物価格は、このレポートで指摘している重要サポートポイント129ドル台を維持する状況が続いている。このため、米金利は2.0%の水準を一度もトライできないでいる。来週のFOMCで追加の利下げ観測が高まっていること、そしてこれを意識した先行の米債買い(=米金利低下)が発生していない状況も考えるならば、今後米金利に低下圧力がかかる可能性があろう。米ドル買い圧力が後退しているタイミングで金利の低下が鮮明となれば、上述したユーロドルや英ポンド/米ドルの反発基調は、米ドル売りによってサポートされよう。

【米国10年債先物価格】

The US bond price 米10年債先物価格 米債

・欧州通貨のチャートポイント

昨日、陰線が示現した英ポインド/米ドルの目先の焦点は、新たなサポートレベルの見極めにある。この点をフィボナッチ・プロジェクションで探ると、まずは38.20%の水準1.2863レベルが浮上する。昨日はこのポイントで下値がサポートされた。38.20%を下方ブレイクする場合、次の焦点は50.00%の水準1.2818およびビッドが観測されている1.2800の攻防となろう。一方、米ドル安にサポートされる展開となれば、1.30の再トライが焦点となろう。
本日のユーロドルは1.11台の維持が焦点となろう。通貨オプション市場ではユーロのコールオーバーの状況が続いている。根強いユーロ買いにサポートされて1.11台を維持する場合、反発基調の維持を意識したい。このケースでは、1.1180レベルの突破が焦点となろう。このレベルにはオファーが観測されている。1.1180の突破に成功する場合、節目の1.12トライを意識したい。一方、1.10台の攻防となる場合、最初の焦点は10日MA(1.1086前後)の攻防である。このMAは今月4日以降、相場をサポートし続けている。

【英ポンド/米ドル】

英ポンド/米ドル GBPUSD


【ユーロドル】

EURUSD ユーロドル

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