ジェイビル(JBL)、異なる市場・業種に対応できる大規模製造インフラを擁し、経営資源を高利益率の顧客市場へ迅速にシフト
ニューヨーク | EMS・ODM | 業績フォロー
BLOOMBERG JBL US | REUTERS JBL.N
- 2019/8期4Q(6-8月)は売上高が前年同期比13.9%増の65.73億USD、純利益が前年同期の▲5,731万USDから5,267万USDへ黒字転換。
- セグメント別の売上高は、DMSが同2%増、EMSが同23%増。営業利益率が高いEMSの増収率が高かったことが増収・増益に寄与した。
- 2020/8通期会社計画では成長投資支出の約半分がヘルスケア市場。
What is the news?
9/24発表の2019/8期4Q(6-8月)は、売上高が前年同期比13.9%増の65.73億USD、純利益が前年同期の▲5,731万USDから5,267万USDへ黒字転換。Non-GAAP基準では、コア営業利益率が同0.06%ポイント上昇の3.74%、コアEPSが同25.7%増の0.88USD、調整後フリーキャッシュフローが同2.0倍の50.31億USD。5G、クラウド、エネルギー、およびヘルスケア市場における顧客からの売上増が増収・増益に寄与した。
セグメント別の業績は以下の通り。多機能製品受託製造サービス(DMS)は、売上高が同2%増、調整後営業利益率が同0.2%ポイント増の2.9%。電子機器受託製造サービス(EMS)は、売上高が同23%増、調整後営業利益率が同0.1%ポイント低下の4.3%。売上構成比は、DMSが37%(前期実績:42%)、EMSが63%(同:58%)。調整後営業利益率が高いEMSの増収率が高かったことが増益に貢献した。
How do we view this?
2020/8通期の会社計画は、売上高(上限)が前期比2.8%増の260.00億USD、Non-GAAPのコア営業利益が同9.5%増の9.60億USD、コア営業利益率が同0.2%ポイント上昇の3.7%、コアEPSが同15.8%増の3.45USD、成長投資支出が2.50億USD。同社は2018年にジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)傘下のヘルスケア事業会社JJMDCと戦略的提携契約を締結して以降ヘルスケア分野を強化中であり、成長投資の約半分をヘルスケア市場に支出し、「ヘルスケア&パッケージング」市場の売上高は同25%増を見込む。その他の市場は「自動車&半導体製造装置」、3Dプリンティングに係る「デジタル印刷&小売」、および「産業&エネルギー」の増収を見込む一方、DMSにおける消費者向けの「モビリティ」や「エッジデバイス&ライフスタイル」は減収を想定。異なる市場・業種に対応できる大規模製造インフラを擁し、利益率が高い市場に経営資源への迅速なシフトにより継続的に効率化を図ることができる点が同社の強みであり、営業利益率の向上が引き続き期待されよう。また、同社が注力中の3Dプリンティングに係る付加製造技術が製造業のイノベーションをもたらす可能性も注目される。2020/8通期の市場予想は、売上高が前期比3.4%増の261.49億USD、当期利益が同31.0%増の3.76億USDである。
終値(USD)39.34 2019/11/13
会社概要
1966年設立。2017/6に社名を「ジェイビル・サーキット」から「ジェイビル」に変更した。世界29ヵ国の100の地域で20万人を超えるスタッフが従事。幅広い産業向けに包括的な設計、製造、サプライチェーン、および製品管理サービスを提供する製造ソリューションプロバイダーとして、多機能製品受託製造サービス(DMS)と電子機器受託製造サービス(EMS)の2つのセグメントで事業を展開している。
DMSセグメントは「モビリティ(モバイル端末)」、「ヘルスケア&パッケージング」、および「エッジデバイス(別々のネットワーク間同士で通信を行う、データの効果や統合、同期などをシームレスに仲介する機器)&ライフスタイル」の市場に係るエンドユーザーを顧客としている。その一方、EMSセグメントは「自動車&半導体製造装置」、「デジタルプリンティング(印刷)&小売」、「産業&エネルギー」、「ワイアレス/5G&クラウド」、および「エンタープライズ(その他のBtoBに係る産業)」の市場に係るエンドユーザーが顧客であり、電子回路設計、コンピュータ支援設計、製品検証・検査、システム組立て、受注処理、およびアフターサービスを世界各地で提供している。
企業データ(2019/11/14)
ベータ値 0.94
時価総額(百万USD) 6,006
企業価値=EV(百万USD) 7,352
3ヵ月平均売買代金(百万USD) 49.9
1.VANGUARD GROUP 10.01
2.ブラックロック 8.96
3.TEXAS YALE CAPITAL CORP 6.29
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
本レポートの発行元:フィリップ証券株式会社〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町4番2号
TEL:03-3666-2101 URL: http://www.phillip.co.jp/
本レポートの作成者:フィリップ証券 リサーチ部
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 国際公認投資アナリスト 笹木和弘
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員補 増渕透吾
当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。フィリップ証券は、レポートを提 供している証券会社との契約に基づき対価を得ております。当資料に記載されている内容は投資判断の参考として筆者の 見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身 の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害につ いても責任を負いません。当資料の一切の権利はフィリップ証券株式会社に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じま す。
<日本証券業協会自主規制規則「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則平14.1.25」に基づく告知事項> 本レポートの作成者であるアナリストと対象会社との間に重大な利益相反関係はありません。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。