JDI、コロナ禍でのスマホ需要減の影響続く見通し　4～6月期

液晶パネル大手のジャパンディスプレイ（JDI）<6740>が10日に発表する2020年4～6月期連結決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を強く受けたものになる見通し。同社は当初、8月中旬までの発表を予定していたが、コロナ禍で社員の出社を抑制していたために決算作業に遅れが生じた。

4～6月期についてスコット・キャロン会長（いちごアセットマネジメント社長）は8月26日開催の株主総会で、コロナの感染拡大の影響があり、営業損益段階から赤字と語っている。同社の液晶パネルはスマートフォン向けが主力だが、コロナ禍によるスマホ需要の減少で売り上げが一段と落ち込んだ。

JDIは3月に独立系投資顧問会社のいちごアセットマネジメントの金融支援を受け、一時は1000億円超まで膨らんだ債務超過を解消した。21年3月期に4期ぶりの営業黒字化を目指しているが、経営再建の道は険しい。

JDIが6月末に発表した4～6月期の業績見通しは売上高が前年同期比6.0～1.6％減の850億～890億円、営業損益が70億～90億円の赤字。

21年3月期については、コロナの影響によるスマホと車載用の需要減で、前期比15～20％の減収になると見込んでいる。

脱スマホ目指す

JDIは株主総会でいちごアセットからの最大604億円の追加支援受け入れを決議した。いちごアセットからの出資額は、今回の決議を受けて最大1108億円になる。議決権比率は最大で80％超となる見通し。

今後は需要変動の大きいスマホ向けの売上高の全体に占める割合を現在の7割から引き下げるとともに、ディスプレイに代わる新たな収益機会を作るべく、中長期的にヒトゲノム解析などのヘルスケア分野に参入する意向だ。

20年3月期の最終損益1014億円の赤字（前期は1065億円の赤字）。スマホ向けの不振が響き6期連続で最終赤字となった。売上高は前期比20.8％減の5040億円だった。

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