人民元相場と円相場
今週もウイルス相場となりそうです。リスク回避の度合いを測る上で中国人民元相場の動向が重要となるでしょう。また、円高進行の可能性にも注目しています。詳細はマーケットレポートにて。
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ウイルス相場と中国人民元相場
新型コロナウイルスによる肺炎(以下新型肺炎)の感染拡を受け、60以上の国が中国人の入国を制限する措置に踏み切った。人の移動は経済活動の停滞につながる。この点を最も警戒しているのが、他ならぬ中国自身である。経済活動の停滞は社会不安を高める要因となるからだ。だからこそ中国人民銀行(中央銀行)は昨日、3日の公開市場操作で金融市場に1兆2千億元(約18.7兆円)の供給を急遽決定し、新型肺炎による混乱の収拾に乗り出す構えを見せてきた。
外為市場においては、中国人民元相場が新型肺炎リスクの警戒度合いを測る最も重要な指標となろう。対米ドルでのオフショア人民元(CNH)の動向を確認すると、感染拡大リスクが意識されて以降、USD/CNHは上昇一辺倒となり、先月31日には再び1米ドル=7.0元の水準を突破する局面が見られた。新型肺炎に関する新たなネガティブ報道がある場合、人民元相場にはさらに下落圧力が高まろう。そのような展開はキャピタルフライトを想起させることから、世界の株式市場の下落要因ともなろう。
中国人民元チャート(USD/CNH)
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円高進行の可能性
ウイルス相場が続く限り、外為市場ではオセアニア通貨および新興国通貨売りの展開を予想する。一方、米ドル相場と円相場には買い圧力が高まろう。だが、ドル円の動向を考えるならば、円高の進行を想定したい。ドル円のインプライド・ボラティリティを確認すると、1週間物は6.7%、1ヶ月物は5.7%台の水準まで上昇している。昨夏の9%(1週間物)台に比べればまだ低い水準だが、円高局面でボラティリティが拡大する過去のパターンを考えるならば、通貨オプション市場は明らかに円高の拡大を警戒している。これまで変動幅が抑制されていたドル円が大きく円高に振れるならば、クロス円の下落幅も拡大しよう(より円高に振れよう)。特に注視すべきは豪ドル円とNZドル円である。前者は短期サポートラインを完全に下方ブレイクし、次のサポートポイント71.70レベルを視野に下落基調を辿っている。72.00割れは71.70トライのシグナルと予想する。後者のNZドル円は66.32(昨年8/26安値)を起点とした短期サポートラインのトライが焦点となろう。このラインは今日現在69.30レベルで推移している。
ドル円チャート
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豪ドル円チャート
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NZドル円チャート
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