焦点はOPEC臨時会議と原油価格
昨日は新興国通貨や米株が上昇しました。リスク資産が買われている状況は、投資家心理の改善傾向を示しています。この状況が続くかどうか、本日は原油価格の動向を注視する一日となるでしょう。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
原油価格とOPEC臨時会議
8日の外為市場では、米ドル相場が強弱まちまちとなる一方、新興国通貨を買う動きが見られた。そして米国株式市場では主要3指数が上昇した。リスク性の高い資産が選好されている状況は、投資家心理が改善傾向にあることを示している。
その投資家心理に大きな影響を与えるイベントとして本日注目したいのが、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成するOPECプラスの臨時会議である。3月下旬以降、原油価格はひとまず下げ止まっている。このタイミングで協調減産が実現すれば需給の引き締まりが意識されることで、原油価格は反発トレンドを維持しよう。逆に協議決裂となれば、原油価格は急落しよう。
原油先物価格チャート
原油価格の動向を警戒するトランプ米大統領
注意すべきは後者(協議決裂)となる場合である。なぜなら、原油価格の急落は米国企業、特にシェールオイル関連企業にとって死活問題であることが、今月1日の大手シェール企業ホワイティング・ペトロリアムの経営破綻で露呈したからだ。原油価格が低水準で推移し続ければ、他のシェールオイル関連企業が発行する社債のリスク要因となる。社債リスクは米株安の要因ともなり得る。この危機感は米国サイドも抱いており、だからこそホワイティング・ペトロリアムが経営破綻した翌日、トランプ米大統領は減産を期待する旨のメッセージを配信したと思われる。
カナダドルとロシアルーブル
外為市場では、原油価格との相関性が高いカナダドルとロシアルーブルの動向に注目したい。OPECプラスが協調減産で合意できるならば、これら通貨は対米ドルで上昇しよう。
カナダドルは、フィボナッチ・リトレースメントの50.00%および61.80%の各水準での攻防を注視したい。現在は50.00%の水準でサポートされているが、この水準のみならず61.80%の水準をも下方ブレイクする展開となれば、1.2952(1/7安値)を起点とした短期サポートラインを視野に、カナダドル高が加速する展開を予想する。一方、協議決裂のケースでは米ドル高/カナダドル安を予想する。まずは1.43台へ再上昇できるかどうか、この点が目先の焦点となろう。
一方、ロシアルーブルだが、協調減産で合意のケースでは、先月9日にギャップオープンでスタートした時の安値70.45レベルまでロシアルーブル高が継続するかどうか、この点が焦点となろう。72.00の下方ブレイクは70.45をトライするシグナルとして意識したい。一方、協議決裂のケースでは米ドル高/ロシアルーブル安の展開を予想する。このケースでは、82.81(3/18高値)を起点とした短期レジスタンスラインのトライおよび突破に注目したい。このラインの突破に成功する場合は、80.00を視野に上昇幅の拡大(=ロシアルーブル安の進行)を想定しておきたい。
米ドル/カナダドル(USD/CAD)チャート
米ドル/ロシアルーブル(USD/RUB)チャート
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